クラウドERP（統合基幹業務システム）ベンダーとして、グローバルで急成長するネットスイート。米カリフォルニア州サンノゼで開かれた年次カンファレンス「SuiteWorld」に、今年はユーザー、パートナー、社員を合わせ過去最高の約5000人が参加し、その勢いをみせつけました。

　インタビューや基調講演で少々驚いたのは、SAPやオラクルなど、既存の大手グローバルERPベンダーに対するザック・ネルソンCEOの挑発的ともいえる姿勢。2層ERPでは補完関係にあるともいえるこれらのベンダーに対して、辛口発言が目立ちました。とくにSAPについては、今年、日本でも提供を開始するクラウド型ERPスイート製品「SAP Business ByDesign」について、製品戦略に疑問を投げかけたのが印象的でした。

　ネットスイートは、もともとオラクルの創業者・CEOのラリー・エリソンが出資して設立した企業で、現在も彼が50％以上の株を保有しています。経営に口出しはしないようですが、ネルソンCEOがERPベンダーを「口撃」する際、最初はSAPとオラクルを並列で挙げても、具体的な批判はSAPに集中しました。このあたりのしたたかさやバランス感覚は、「さすがはグローバル企業のCEO」と妙に感心させられました。（本多和幸）

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米ネットスイート、「SuiteWorld 2013」に過去最高の5000人、製造業向けソリューションを新たな柱に