あるとき、暇つぶしに、ベトナムに出張した同僚記者が泊まったホテルをインターネットで検索してみました。それはそれで楽しかったのですが、すると、次から著名なニュースサイトを開くたびに、広告枠にベトナム宿泊プランが表示されるようになりました。どうやら、私のパソコンのIPアドレスが「ベトナムのホテルに関心」という情報と結びつけられたようです。
ようこそ、データ活用の時代へ!最近のウェブ媒体は、データ分析サービスを利用して、検索履歴などの情報からユーザーがどんなことに興味があるのかを予測して、個人に合った広告を表示しています。これで広告効果を高めて、次の出稿につなげるわけです。
しかし、私は残念ながらベトナムに行く予定がありません。ホテル情報を表示されても、まったく効果なし。そこで考えました。データ活用の落とし穴は、エンドユーザーの軽視にあるのではないか、と。データ分析サービスを提供するITベンダーは、ユーザー企業のメリットだけでなく、その先にいるエンドユーザーも視野に入れる必要があります。
データ活用は、エンドユーザーの購買を促し、企業の事業拡大に貢献してはじめて価値を生み出します。ビッグデータ市場が急速に拡大しているのは確かですが、ITベンダーはユーザーが実際に抱えるニーズを正確に把握して、的確に分析する仕組みを提供しなければなりません。(ゼンフ ミシャ)
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<BOOK REVIEW>『図解 ビッグデータ早わかり』 メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.6.19」より