ITは電気やガスのような社会的ユーティリティであるとよく言われますが、本質的に異なる部分があります。電気・ガスはタダになることはありませんが、ITは、放っておけば限りなくタダになってしまうのです。「ITは電気・ガスのように社会に不可欠なインフラ」という文脈では正しいのですが、ITビジネスは世界をリードするイノベーションがなければ、生き残ることができません。
例えば、NECや富士通は、かつて自社のコンピュータ向けに何種類ものOSをつくっていました。ガラパゴス携帯も独自OSだとすれば、つい最近までつくり続けてきたことになります。しかし、今やごく一部のレガシー機器を除いて、OSをつくっている国内メーカーはほぼ皆無。恐らくミドルウェアやERP、コンシューマー向けのクラウドサービスなども同じです。勝ち残るのは頂点の数社だけで、あぶれた会社は別のイノベーションで勝ち残るほかないのです。
つまり、既存ビジネスの延長線上に活路がないのがITであり、イノベーションによって世界を「あっ!」と言わせれば大きなチャンスを手にできる――。同じユーティリティでも、電気やガスとはこれだけビジネスモデルが違うという話でした。(安藤章司)
【ソフト開発もどんどん安くなっています】
潮目が変わるソフト開発「プログラミングをなくせ」 スマートデバイスが火つけ役にメールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.10.24」より