ソフトウェア開発の自動化が、システム・インテグレータ(SIer)の競争力強化の切り札になるのでは、との期待が高まっています。自動化の手法は、本来であれば企業秘密のはずですが、某大手SIerが、その手の内を明かすような専門書『革新を続けるソフトウェア生産技術』を上梓しました。
SIビジネスにとって“核兵器”のような切り札を、ライバルに開示するような内容ですが、中の人に話をうかがったところ、「社内を啓発することも重要な仕事の一つ」とい返事が返ってきました。
なるほど、自動化によって、最悪の場合、職を失うプログラマが出てきたり、そうでなくてもスキル転換が求められる可能性が高まる。快く思わない人もいるということでしょう。
つまり、得意先へのアピールや、ライバルに対する威嚇だけではなく、社内の抵抗勢力への説得材料としての役割もあるようです。技術的な課題の克服も大切ですが、むしろ、社内の意識改革のほうが先決すべきなのがソフト開発の自動化、生産革新の特性と言えそうです。(安藤章司)
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