消費者間の口コミがヒット商品の誕生につながる例は、枚挙に暇がありません。いまやスマートフォン所有者のほとんどがインストールしているといわれるSNSアプリ「LINE」などは、その代表例といえるでしょう。

　IT業界の住人には無縁な話でしょうが、メールのやり取りもおぼつかないお父さん・お母さん世代が、息子や娘に教わりながら何とか操作を習得していくというのは、よく聞く話です。

　ユーザーが増えれば、ツールにはさまざまな使い方の事例が出てきます。「こんなことにも使える」「こんなふうにも使える」という発見がユーザー同士のコミュニケーションを促し、普及を後押しすることになります。コンシューマ向けの製品なら、こうしたユーザー同士のコミュニケーションは、ネットの掲示板などで簡単に実現します。

　しかし、法人向けのITの世界ではどうでしょうか。『週刊BCN』のユーザー事例紹介コーナー「THE 決断」はご好評をいただいていますが、実はユーザー同士が双方向でコミュニケーションできる場というのは、それほど多くないのが現実です。

　ITベンダーのユーザー会は、そんな貴重な場を提供しています。「BCN Bizline」では、とくに活発に活動しているユーザー会にスポットを当て、その狙いや活動のポイントを探る新企画を始めました。同じ製品、同じソリューションのユーザー同士の横のつながり、いわゆる口コミでの情報交換ができる場は、ベンダーの製品戦略にポジティブな影響を与えているようです。（本多和幸）

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連載「燃えよユーザー会　～もっとITを有効活用したいユーザー企業へ～」