営業マネージャーたちの最前線・Bizline版

<営業マネージャーたちの最前線・Bizline版>エス・アンド・アイ 長谷川道明さん ――共に新しいお客様を発掘、「受注につなげるのはあなた」と念押し

2013/11/22 19:46

 『週刊BCN』の連載「営業マネージャーたちの最前線」では、IT企業で奮闘している営業リーダーに、営業現場での様子やマネージャーとしての工夫などを語っていただいています。ここでは、紙面では掲載しきれなかったエピソードをご紹介します。 *「営業マネージャーたちの最前線」本編は『週刊BCN』1507号(11月25日号)に掲載しています。ぜひご覧ください。

[語る人]

●profile..........
長谷川 道明(はせがわ みちあき)
 イトーヨーカ堂でスポーツ用品の販売などに携わった後、2005年にエス・アンド・アイに入社。サーバーやネットワークを提案する第一営業部に配属され、営業とITについてイチから学ぶ。積極的な仕事ぶりが評価され、2010年に第一営業部の部長に就任した。13年からは、自分個人の数字目標を掲げず、全案件を統括することに専念している。

●所属..........
エス・アンド・アイ
営業本部
第一営業部
部長

●担当する商材.......... サーバーやネットワーク機器
●訪問するお客様.......... 首都圏の大口のユーザー企業
●掲げるミッション.......... 受注金額の減少に対処するために、新規顧客を開拓すること
●やり甲斐.......... 新人の頃に先輩だった年長の部員に、部長として認められていること
●部下を率いるコツ.......... 「必ず成果を出せ」というようなプレッシャーをかけないこと
●リードする部下.......... 7人

 現在、既存ユーザー向けのビジネスが縮小傾向にあるので、当社の独自サービスを武器に新しいお客様を開拓するのが、われわれ第一営業部の直近の課題だ。僕は、5年以上に取り引きがないお客様への再度のアプローチを方針に掲げた。「ごぶさたしております。エス・アンド・アイです」と連絡を取り、ここ数年の間に揃えてきたICT(情報通信技術)サービスを紹介するために、お客様を訪問する。

 新しいお客様の発掘は、部長のミッションだと考えている。営業現場から「提案の切り口がよくわからない」「ずっと連絡していなかったのでアポイントメントが取りづらい」といった声を聞いて、最初の訪問は僕もいっしょに行くことにした。担当営業のフォローをしながら、部長同行ということでアポイントメントを取りやすい環境をつくっている。

 このやり方で気をつけなければならないのは、担当営業が訪問した企業を自分のお客様と認識せずに、案件の進行を僕に任せてしまわないようにすること。そのために、お客様を訪問したあと、担当に「これからの提案を受注につなげるのはあなたです」とはっきり伝えて、自分のお客様であることを認識させている。おかけで、このところ、担当営業がすべてを仕切るかたちで、迅速に見積もりを出し、他社よりも低価格であることを訴求することによって、新しいお客様からご注文をいただけている。

 新規顧客の獲得もそうだが、今後は、営業メンバーはいろいろな新しいことに挑戦する必要があると思う。発掘の方法を工夫したり、提案の切り口を変えたりするだけではなく、お客様から聞いた課題やニーズをもとに、技術部隊と連携してサービスのデザインを考えるという、営業らしくない仕事にも携わらないといけないだろう。ただし、挑戦する壁が高すぎてメンバーのやる気を削いでしまわないよう配慮することも、強く求められるところだと認識している。

 欠かせないのは、日頃の仕事でのフォローや励ましだ。フォローはプレッシャーにもつながりかねないので、どこまでフォローするかを慎重に判断することが重要だ。2010年に部長に就任してから、部内に会社を辞めた人が一人だけいる。その人は、「フォローしてもらっているのに期待に応えることができず、申し訳ない」という理由で退職を決めた。僕はその人の退職から学んで、部下について、休日は私服を着て家族と遊ぶ姿を思い描くなど、メンバーを社会人としてだけでなく、生活者として見ることを心がけるようにした。これからも、各自の能力に合わせたフォローを考えて、チームとしての力を引き出したい。
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外部リンク

エス・アンド・アイ=http://sandi.jp/