今日のひとことWeb版

副収入で旅を満喫

2013/11/27 15:26

 いま、私の幼なじみのドイツ人が日本を旅しています。昔は旅行でも決して財布の紐を緩めなかった彼ですが、今回はお金の使い方に驚きました。タクシーや新幹線を頻繁に使用したり、高級バーでウィスキーを飲んだりと、お金にあまり頓着せずバケーションを楽しんでいるのです。「昇格でもしたのか」と聞いたら、「いや、実は旅行中にちょっとした副収入が入ってくるので、余裕があるんだ」という答えが返ってきました。

 彼は、来日している間、フランクフルト市内にある住まい(賃貸アパートです)を、大家さんの承諾を得て、安い宿泊場所を求めている旅行者に貸しているのです。一日約5000円の手頃な価格で提供し、そのお金で日本でのプチ贅沢を満喫しているというわけです。

 旅や出張で不在のとき、自分の部屋を他人に貸して収入を得ることは、このところヨーロッパやアメリカを中心に流行っているそうです。間に入って調整する専門業者も増え、部屋の短期貸出しはビジネスとして成立しつつあります。

 必要なとき、必要な時期だけ提供・利用する――。クラウドの登場で「所有から利用へ」とシフトした情報サービス産業にはおなじみの流れです。そして、クラウドが普及すればハードウエアの販売が落ち込むから、とクラウドに消極的なITベンダーがいるように、利用客の減少を嘆くホテルなどからは反発の声が聞こえてきます。

 しかし、いったん動き出した大きな流れに逆らうのは難しいもの。情報サービス産業にもホテル業界にも、市場環境の変化にすばやく対応し、他社にできないユニークなサービスを開発することこそが求められています。(ゼンフ ミシャ)

【記事はこちら】
<視点>システムインテグレーションの崩壊
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.11.27」より
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