今日のひとことWeb版

公益性と営利の狭間で

2013/12/10 15:26

 日本はスマートシティの分野で先進国といえるでしょうか?おそらく答えは「ノー」でしょう。スマートシティは都市計画そのものですが、日本の街づくりは、真の意味の都市計画にもとづいて行われてきたわけではないので、当然といえば当然かもしれません。

 住民はもちろん、政治や行政も街づくりの明確な構想をもたないまま、経済の成長に合わせて行きあたりばったりに都市を膨張させ、インフラを整備した結果、抜本的な再構築が困難になり、結果的に身動きが取れなくなってしまったように感じます。そこには、目指すべき都市の「かたち」が存在せず、スマートシティ政策を進めようにも、最終的に何を実現するのかというグランドデザインを描きにくい状況があります。

 しかし、東北では、産官学が連携して、街づくりの明確なビジョンにもとづいたスマートシティの実現を目指す動きが顕在化しつつあります。東日本大震災は大変不幸な大災害でしたが、だからこそ、復興に向かってドラスティックな変革を伴うチャレンジをすべきなのです。

 ただし、スマートシティの技術的基盤を担うことになるITベンダーにとって、このビジネスのポテンシャルは未知数です。R&Dへの投資も、ある程度の期間内に収益が見込めないことには継続できません。こうした公益性の高い事業を、営利企業の論理だけで扱っていいのでしょうか。記事には、その解決策のヒントを示しています。(本多和幸)

【記事はこちら】
<トップインタビュー>オープンガバメント・コンソーシアム会長 東京大学大学院情報学環長・大学院学際情報学府長 須藤 修
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.12.10」より
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