今日のひとことWeb版

災害や事故でITができること

2014/03/13 15:26

 3月8日、北京空港で見たものは、家族や友人の帰還を待つ人たちの姿でした。この日の早朝、北京に到着するはずだったマレーシア航空機が南シナ海上空で消息を絶ったのです。なかには泣き崩れる人もいて、胸が締めつけられる思いでした。

 こうしたとき、ITには何ができるでしょうか。東日本大震災のときもそうでしたが、ITが力を発揮するのは何といっても安否確認です。震災のときにはFacebookやLINEがまだあまり普及しておらず、まっ先に機能不全に陥った携帯キャリアメールに泣かされました。もしあのとき、災害時用の公衆Wi-Fiが利用できて、ソーシャルメディアが普及していたら、状況はずいぶん変わっていたはずです。

 マレーシア航空機の“失踪”は、いまだ解決をみていません。この原稿を書いている段階では、どこにいるのか、何があったのかさえ、わからないのです。航空機内でのWi-Fiサービスは、すでに一部の会社で始まり、技術的なめどはつきつつありますが、もし、運航上の技術的課題を解決でき、さらに、機内でスマートフォンが自由に使えるようになっていれば、乗客の誰かが異常に気づいて、何らかのメッセージを残していた可能性があります。そうしたら、きっと早い段階で何が起きたのかが判明し、それに対応する手を打つことができたでしょう。残念でなりません。(安藤章司)

【記事はこちら】
【被災地レポート】仙台の地場ベンダーは元気、案件は減少していても、ITで地元を元気にする!

メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.3.13」より
  • 1

関連記事

【震災関連情報】情報サービス業界、週明け月曜日は混乱不可避

【震災関連情報】電力使用の最大限の抑制要請、経産省情報処理振興課からJISAへ

【震災関連情報】大手SIer、データセンターの電力確保に全力挙げる

【震災関連情報】中国業界団体BASSからメッセージ届く