今日のひとことWeb版

賢者は歴史に学ぶ

2014/03/25 15:26

 IBMのx86サーバー事業「System x」の売却は、すでに今年のIT業界最大のニュースの有力候補です。x86サーバー、場合によってはUNIX陣営も含めて、メーカー、販社、ユーザーなど、関係者のざわつきは当面収まりそうにありません。

 IBMや「System x」の買い手であるレノボは、今後もプロダクトやサポートのクオリティは変わらないことをアピールするのに必死ですが、一方でライバルメーカーは、場合によってはネガティブキャンペーンともいえるような情報発信をしながら、あの手この手で「System x」からシェアを奪おうと躍起になっています。

 一連の動きをみながら、IBMが同じくレノボにパソコン事業を売却すると発表した2004年暮れの報道はどうだったのかが気になり、過去の『週刊BCN』の記事を調べました。すると、「レノボのブランド力は低く、IBM製PCの法人クライアントの多くは今後のサポートに対する不安を感じているだろうから、競合にとってはビジネスチャンスになる」という趣旨のコメントが散見されました。

 何だか最近似たようなフレーズを頻繁に見聞きした気がしてにやりとしてしまったのですが、いずれにしても、当時はレノボの成功について、懐疑的な見方が圧倒的だったようです。しかし、現在のパソコン市場でレノボは敗者でしょうか。

 「System x」のライバルたちにとって、いまが商機なのは確か。しかし、「レノボの『System x』恐るるに足らず」とたかをくくっていると、5年後、10年後、いや、もしかしたらもっと近い将来、自分たちが市場から退場しているかもしれません。(本多和幸)

【記事はこちら】
どうなる? IBM System xのゆくえ「変わらないこと」と「変わること」
日本オラクル、SPARCのパートナーを大幅拡充 IBMx86サーバー売却後の市場は“草刈り場”に?
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.3.25」より
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