大阪・なんば駅から地下鉄御堂筋線に乗って数分の天王寺。先日、大阪取材の際に思い立って足を運びました。金曜日の夕方、天王寺界隈はビジネスマンや買い物客で溢れていました。ややさびれていたこのエリアに活を入れたのはアベノミクス、ではなく「あべのハルカス」。日本一の高さを誇る300mの超高層ビルです。今年3月に開業し、全国から注目を浴びる大阪の新しいランドマークになっています。
ビル内には、百貨店やオフィス、ホテル、展望台など、ビジネスやレジャーの施設が揃っています。最後の2ケタが階を表す「あべのハルカス」だけの郵便番号もあるそうです。こうした大型の再開発プロジェクトは、街の顔を変え、人々に刺激を与え、経済を活性化します。都会はからだと同じで、成長するためには新陳代謝が必要なのです。天王寺を歩いてそう感じました。
朝、大阪に向かう新幹線で読んだ新聞に、老舗高級ホテルのホテルオークラ東京が本館を建て替えるという記事が載っていました。1964年の東京五輪をきっかけに建てられ、本館は大きな改造を行うことなく、開業当時の状況のまま保存されてきました。高度経済成長時代の雰囲気が漂う建築や内装が強みだったのですが、建物の老朽化を考え、2020年の東京五輪に向けて本館を建て替え、新たなスタートを切ることを決断しました。まさに新陳代謝です。
生まれ変わる都会の根幹を成すのはITです。「あべのハルカス」内に新本店を構える近鉄百貨店は、富士通のシステムを採用して、売り場で活用しています。東京では、「東京2020」に向けて、これからあらゆるIT特需が生まれるでしょう。うまく提案すれば、都会の成長とともに、ITベンダーのビジネスの成長も期待できるといえそうです。(ゼンフ ミシャ)
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富士通、あべのハルカス近鉄本店にPOSターミナル360台を納入メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.5.28」より