中国に進出している日系IT企業を取材していると、ほとんどの総経理が、「現在の顧客の大半は日系企業」と答えます。中国ローカル市場にも魅力を感じてはいるものの、人脈の欠如や文化・商習慣などが障壁となって、思うように開拓が進んでいないケースが多いようです。
中国は“コネ社会”といわれるほど、人脈がモノをいう世界。自社のなかに、政府や大手企業の有力者との人脈をもった人物を抱えることが、案件の獲得に大きな役割を果たすといわれています。ある日系IT企業の総経理は、「採用に関しては、本人のスキルよりもコネクションを重要視する」と語っていました。
対日オフショアなどのソフト開発を手がける上海林唯信息系統の林堅董事長・総経理は、今春、スマートシティ構築など、中国政府主導で推進する国家ITプロジェクトの獲得に力を入れていく方針を明らかにしました。商材は、日本のIT企業が保有する教育やヘルスケア、農業などの分野のソリューションです。
「北京の政府機関で9年ほど働いていたときに築いた政府関係者との太いパイプ」があるという林董事長・総経理。日系ITベンダーの光になるのか、今後の展開が楽しみです。(上海支局 真鍋武)
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上海リンクウェー情報システム、中国政府関連の案件獲得を目指して日系IT企業のソリューションを拡販メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.5.30」より