今日のひとことWeb版

変わる鉄道会社向けIT

2014/06/11 15:26

 宮崎といえば、マンゴー♪ と言いたいところですが、ここはグルメコーナーではないので、宮崎といえば駅に自動改札口がない、という少しドライな出だしにします。

 先日、取材で宮崎に出張してきました。空港からJRに乗って宮崎駅で降りたとき、駅員が切符を回収するという都会ではほとんど目にすることのない仕組みに驚きました。鉄道会社向けのシステムに強い某社の担当者に話を聞いたら、JR九州には自動改札を何度も提案しているが、宮崎では電車の利用者がそれほど多くないので投資回収のめどが立たず、導入メリットがないという理由で断られたそうです。

 羽田空港に帰着したとき、JR九州がこの8月に開業するホテル「ブラッサム新宿」のポスターが目に飛び込んできました。JR九州ホテルズの首都圏第1号店で、内装に九州の素材や伝統工芸品を取り入れ、通常のビジネスホテルより宿泊費を高く設定して、「プチ贅沢が楽しみたい」顧客を開拓しようとしています。

 首都圏に進出し、ホテル運営など、本業とは違う事業形態で新たな収益源を求めるJR九州のように、鉄道会社のビジネスは大きく変わりつつあります。ITベンダーにとっては商機になりますが、提案の視点を変えなければ、案件の獲得は難しいでしょう。「鉄道会社だから自動改札」というような従来型の提案ではなく、もっと深いところで事業を支える仕組みの提案が求められます。

 宮崎では、機械ではなく駅員が笑顔で切符を回収するという人情味に溢れた特性を生かして、観光支援システムを提案してはいかがでしょう。(ゼンフ ミシャ)

【記事はこちら】
<THE決断!ユーザーのIT導入プロセスを追う>列車無線システムをデジタル化 最大3列車への同時通話を実現
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.6.11」より
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