今日のひとことWeb版

ぬるま湯

2014/07/18 15:26

 先週、インフォテリア上海が開催したセミナーで、NHK Eテレ『テレビで中国語』にレギュラー出演している段文凝さんの講演を聴きました。お題は「日中の懸け橋になりたい」。彼女は、「私一人では決して日中の懸け橋にはなることはできない」と述べ、中国にいる日本人が一丸となって、中国との結びつきを強めていく必要性を訴求していました。

 日本人が、中国をよく理解するためには、中国人のコミュニティのなかに深く入り込む必要があります。そのためには、中国語の習得が不可欠。しかし、中国にいながら、中国語があまりしゃべれない日本人が多いように感じます。

 その理由の一つとして、上海などの大都市には、大きな日本人コミュニティが形成されていることがあります。上海には日本人が集中して住むエリアがいくつか存在し、そこには日本料理屋もたくさんあって、中国語を使う必要がほとんどありません。「上海は海外の感じがしない」と思っている人は多いのではないでしょうか。

 また、日系IT企業に関しては、顧客の大半を日系企業が占めるケースが多く、また社員も日本語が話す中国人なので、業務時間に中国語を使う必要がないことも影響しているでしょう。

 中国にいながら、プライベートでも仕事でも、日本語しか話さない――。そんなぬるま湯につかっていては、本当の中国人コミュニティには入り込むことはできません。日系IT企業が中国のローカル企業の開拓に成功していないのは、このことと無関係ではないように思います。かくいう私も、実は中国語がしゃべれない日本人の一人。自戒を込めて、中国語の習得に励みます。(上海支局 真鍋武)

【記事はこちら】
インフォテリア上海、「スマートデバイスサミット上海2014」を開催
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.7.18」より
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