今日のひとことWeb版

(B)toBか、それとも……

2014/07/30 15:26

 To be or not to be. 生きるべきか死ぬべきか――。企業向けIT市場を取り巻く環境が激変するなかで、ウィリアム・シェイクスピアの悲劇『ハムレット』の名セリフは、まるでITベンダーに警鐘を鳴らしているかのように聞こえます。スマートフォンに代表されるように、消費者向けの技術や製品が法人市場に大きな影響を与えるコンシューマライゼーションが進み、BtoB(法人向け)ビジネスが見直しを迫られています。

 改革のヒントは、BtoB市場をリードするIBMの取り組みにあります。米IBMは、日本時間の7月16日、米アップルとビッグデータ領域での協業を発表しました。IBMのクラウドやデータ分析技術を使って、iPhoneでビッグデータ活用ができる仕組みを提供します。IBMは、企業でも普及しつつあるアップル端末のユーザーに着眼し、iPhoneを販路に、ビッグデータ活用に必要なインフラをユーザーの手元に届けることで、新たな市場を開拓します。

 法人向けITのユーザーが「企業」から「社員」に変わって、ITベンダーの提案先が情報システム部門から製品開発などの事業部門に変わります。そんな状況のなかでは、IBMとアップルのように「BtoB」や「BtoC」(個人向け)といった縛りを破って、使い手を重視するかたちでITを提供することが重要になります。従来型のBtoBにこだわるか、それとも、大胆にビジネスモデルを変えるか。ハムレットのように迷うことなく、思い切ったコンシューマライゼーションへの対応が求められます。(ゼンフ ミシャ)

【記事はこちら】
<新人さんもこれで一人前!? ぜひ知っておきたいIT業界の専門用語>第10回 BtoB、BtoC
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.7.30」より
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