Facebook内に、『週刊BCN』の記者が情報を共有する極秘の空間があります。ここに、取材で拾ったネタや他媒体が報じる業界の動きなど、自分がもっている情報を投稿して、記者としては珍しく、ざっくばらんにシェアしています。
今週月曜日、この情報共有サイトに接続したら、トラックに乗った牛の後ろ姿の写真が目に入りました。この日、米ヒューレット・パッカード(HP)が不振に陥ったパソコン・プリンタ事業を分社化することが報じられ、某記者がイディッシュ語の歌『ドナドナ』の歌詞「かわいい子牛 売られて行くよ」にちなんで、HPのパソコンとプリンタが「ドナドナされる」という意味で牛の写真を投稿していたのです。
HPが利益の低いパソコン・プリンタを本体から切り離して、法人向けのソリューション展開に資源を集中する動きは、これが初めてではありません。2011年、アポテカー前CEOが分社化に失敗したことがあります。当時、アポテカーCEOは、分社化に株主の納得が得られず、「ドナドナ」を実現する前に、「あなた、どなた?」とばかりに会社から追い出されました。
今回のHPの再挑戦を、市場はどう受け止めるのか。パソコンやプリンタといった消費者向けのビジネスは、かつてのように「キャッシュ・カウ(稼ぎ頭)」ではありません。思い切って「牛」をトラックに乗せ、売るという判断は、私には正しいようにみえます。(ゼンフ ミシャ)
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HP、“脱・脱パソコン事業”を決定 新CEOがビジネス方針を180度変えるメールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.10.8」より