安倍政権が力を入れる施策の一つである「地方創生」。地方の衰退を食い止められるかどうかは、雇用をいかに確保するかにかかっているといっても過言ではありません。スマートシティ化の取り組みを進め、ITベンダーがビッグデータを活用した新しいビジネスに踏み出すノウハウを蓄積するためのフィールドを用意した会津若松市は、アナリティクス産業の集積による地方創生に挑もうとしています。安い土地と安い人件費をエサに、「東京の下請け」をするのはもうやめて、高付加価値型の産業を地域に根付かせようという志には、共感できる人も多いのではないでしょうか。4月20日号の『週刊BCN』の特集では、同市の取り組みを取り上げました。

 人材育成、人材確保の仕組みとセットでITベンダーの誘致を進めるという構想は実現性が高そうですが、これから解決しなければならない課題も少なくなく、計画の実現には多面的な取り組みが必要です。今回取材を受けてくれた関係者も一様に、「一点突破でどうにかなる問題ではない」と話します。

 それでも、一記者ではなく、地方出身の一人の日本人としては、会津若松市の地方創生の取り組みに一縷の望みを託さずにはいられないというのが率直な思いです。そこには、それぞれの関係者がもつさまざまな「夢」が反映されています。同市のプロジェクトをここまで動かしてきた最大の原動力は、問題意識を持った個人個人の強い想いであり、役所や大企業の組織の力ではありません。だからこそ、理屈を越えてこの難題をクリアできるのではないかという可能性を感じるのです。(本多和幸)

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ITで 会津若松市 地方創生に挑む! スマートシティとビッグデータに活路
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.4.28」より