今日のひとことWeb版

寿命を案ずるか、寿命を予期するか

2015/08/04 15:26

 HDDのかわりに、記憶素子としてNANDフラッシュメモリを採用したフラッシュストレージの普及が進んでいます。確かに高価ですが、性能は段違いで、装置の小型化や消費電力削減といったメリットを考えると、TCOはむしろ削減できるケースも。しかしベンダーに聞くと、ユーザーからは「フラッシュは書き換え寿命が心配で……」という反応がまだまだ根強いそうです。

 確かに身の回りのレベルでは、メモリーカード等のデータ消失を経験することもありますが、何百万円もするエンタープライズ向け製品として、そんなに簡単に壊れるものが売られているはずがありません。書き換え方法の工夫、予備記憶領域の確保、ソフトウェアによる制御・監視といったさまざまな仕組みで、素子自体の弱点を克服し、製品としての信頼性・可用性を確保しているのですが、一度刷り込まれたイメージを覆すのはなかなか大変ということです。

 データベースの高速化に最適なフラッシュストレージですが、大量のHDDを抱えるホスティング事業者など、「ウェブ系の業界からのほうが早い時期から引き合いがあった」と話すベンダーも。管理するHDDが千台単位になると、毎週のようにどこかで故障が発生しますが、運用・保守の担当者としては「寿命が予期できるフラッシュのほうが作業がしやすくてよい」のだそうです。機器の寿命に関しても、ユーザーによって見方は大きく変わるようです。(日高彰)

【記事はこちら】
レノボ・ジャパン、フラッシュメモリ採用の高性能サーバーを販売
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.8.4」より
  • 1

関連記事

日本オラクル フラッシュ・ストレージ新製品を投入 リソース配分を効率化するソフト搭載

東芝ソリューション、フラッシュとMRAMでデータセンター消費電力の半減へ

日本IBM、フラッシュストレージの新製品と販売戦略を発表

ネットアップ、「NetApp Innovation 2015」で次の10年を見据えたストレージをアピール

日立と大塚商会の協力でBCNセミナーを開催、DB高速化ソリューションの必要性を説く