HDDのかわりに、記憶素子としてNANDフラッシュメモリを採用したフラッシュストレージの普及が進んでいます。確かに高価ですが、性能は段違いで、装置の小型化や消費電力削減といったメリットを考えると、TCOはむしろ削減できるケースも。しかしベンダーに聞くと、ユーザーからは「フラッシュは書き換え寿命が心配で……」という反応がまだまだ根強いそうです。
確かに身の回りのレベルでは、メモリーカード等のデータ消失を経験することもありますが、何百万円もするエンタープライズ向け製品として、そんなに簡単に壊れるものが売られているはずがありません。書き換え方法の工夫、予備記憶領域の確保、ソフトウェアによる制御・監視といったさまざまな仕組みで、素子自体の弱点を克服し、製品としての信頼性・可用性を確保しているのですが、一度刷り込まれたイメージを覆すのはなかなか大変ということです。
データベースの高速化に最適なフラッシュストレージですが、大量のHDDを抱えるホスティング事業者など、「ウェブ系の業界からのほうが早い時期から引き合いがあった」と話すベンダーも。管理するHDDが千台単位になると、毎週のようにどこかで故障が発生しますが、運用・保守の担当者としては「寿命が予期できるフラッシュのほうが作業がしやすくてよい」のだそうです。機器の寿命に関しても、ユーザーによって見方は大きく変わるようです。(日高彰)
【記事はこちら】
レノボ・ジャパン、フラッシュメモリ採用の高性能サーバーを販売 メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.8.4」より