今日のひとことWeb版

危機意識が顕著に

2015/10/02 15:26

 中国に進出している日系ITベンダーは、ビジネスの大半を現地の日系企業マーケットに依存しているケースが多いですが、最近、「日系企業向けビジネスで、売上高2ケタ成長を維持することは難しいのではないか」と危機感をもつ経営者が増えています。

 この理由はいくつかあります。一つは、日系企業の数が伸びていないこと。帝国データバンクの調査によると、2015年5月末時点で中国に進出している日本企業は、1万3256社。前回調査の12年9月と比べて、1200社減少しています。日本の対中直接投資額も15年は、前年比で大きく落ち込んでいます。

 二つめは、日系企業向けビジネスを手がけるITベンダーが増えていることです。日系ITベンダーでは、かつてオフショア開発を主軸としていた企業が、最近の市場環境の悪化を受けて、現地の日系企業向けビジネスに舵を切るケースが増加。また、中国ローカルITベンダーも増えています。

 さらに、中国の日系企業の現地化が進んでいることも影響しています。中国人の経営層やIT担当者が増えたことで、日本語によるコミュニケーションが不要となり、日系ITベンダーの優位性が薄まってしまったというわけです。

 NTTドコモの中国法人では、Wi-Fiのレンタルなど、薄利多売の製品・サービスについて、日系マーケットで競合が増えている現状を受けて新規営業を停止。今後は、案件単価の大きいM2M関連のビジネスを集中的に拡大させる方針を示しています。(上海支局 真鍋武)

【記事はこちら】
ドコモチャイナ 日系企業向けビジネスモデルを転換「M2Mトータルサービス」に注力
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.10.2」より
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