治安がよく安全な国といわれる日本。確かに、夜一人で外を出歩くことができない国に比べれば、ずいぶん安全です。では、犯罪による被害を防ぐための備えが不要かといえば、もちろんそんなことはありません。

 先日、Dropbox日本法人を訪問した際、PwC(プライスウォーターハウスクーパース)の調査結果として河村浩明社長が教えてくれた数字があります。「企業で発生した経済犯罪のうち、組織内部の人物による犯行はどれくらいの割合を占めていると思いますか。2014年に発表された調査結果によると、世界平均は56%だったのに対し、日本では実に82%が内部犯によるものだったということです」(河村社長)

 この数字はあくまで割合で実数ではないので、海外では外部犯の件数自体が多いのかもしれませんが、それにしても、世界に比べて日本はこれだけ内部犯行率が高いというのは驚きです。たとえ件数が少なくても、内部犯による経済犯罪は1件あたりの額がより大きくなる傾向があるため、被害は深刻です。犯罪の未然防止というと、外からの侵入者をいかにブロックするかという発想になりがちですが、とくに日本では、組織の内部にも目を向ける必要があるといえるでしょう。河村社長は、自社の情報システムは監視されており、ルールを破った場合はこれだけの罰則がある、ということを従業員にきちんと伝えることが、内部犯の防止には有効と説いています。(日高彰)

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メールマガジン「Daily BCN Bizline 2016.6.8」より