今日のひとことWeb版

無線になるとビジネスも変わる

2016/07/13 15:26

 先週水曜日、この「ひとこと」コーナーで無線LANルータに関するお話を書きましたが、私は通信関連の話が好きなもので、今週もまたネットワーク機器の話題です。先月幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2016」で注目を集めていた製品のひとつが、ヤマハ製ルータの新製品「NVR700W」です。無線LANルータではないにもかかわらず、製品上部に搭載されたアンテナが目を引きます。

 これは3G/LTE用のアンテナで、固定回線を引かなくてもSIMカードを用意するだけで、拠点のネットワークをインターネットに接続できるのが特徴となっています。万が一、ブロードバンド接続に障害が発生したときに備え、バックアップ回線としてISDNを利用するネットワーク構成が過去多く採用されてきましたが、ISDNは数年中のサービス終了が予定されているため、これからはその代替としてモバイル回線が活躍しそうです。

 もうひとつの観点として、このような機器が普及すると、IT製品の販売ビジネスにも新たな形態が生まれます。これまで、顧客の拠点にネットワークを構築する際、ルータなどの通信機器はSIerからの売り切り、インターネット接続回線は顧客と通信事業者の間での契約というように、提供形態が分かれることがありました。モバイル回線なら通信機器にSIMカードをセットした状態で提供できるので、製品のレンタルと保守、通信回線をワンパッケージにしたサービスとしても展開が可能です。ちょっとした違いですが、ユーザー側での回線契約・管理の手間を減らせる仕組みとして、一定の需要も期待できるのではないでしょうか。(日高彰)

【記事はこちら】
ヤマハ/SCSK ルータのクラウド管理サービスを発売 管理者の拠点出張を削減
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2016.7.13」より
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