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インクジェット、年末商戦で伸びず 一方でカシオが台頭

2009/12/24 16:51

週刊BCN 2009年12月21日vol.1314掲載

 デジタル家電のなかでは、「エコポイント効果」や「Windows 7効果」で薄型テレビや関連するレコーダー、パソコン周辺機器などが引き続き好調に推移している。

 こうした好調組とは対照的に「インクジェット」「ページ」「サーマル」「ドット」のプリンタ関連は全体的に精彩を欠いている。11月は、プリンタ全体で台数が前年同月比93.2%、金額が96.8%と振るわない。年末商戦期の11~12月で年間需要の約3割を稼ぐインクジェットの勢いもない。

 インクジェットは、台数伸び率が前年同月に比べて93.9%と下回った。ただ、平均単価は上昇中で、11月では2万6000円と久方ぶりに2万円を超えてきた。

 単価アップは、値を下げた旧モデルの在庫処分がほぼ峠を越え、年末商戦用の新モデルがメインで販売を伸ばしていることと、カシオ計算機やエプソン販売などが展開中のパソコンを介さず年賀状作成が可能な高価格帯プリンタが好調であることなどが要因だ。

 インクジェットは、エプソンとキヤノンの二強体制が続くが、11月にはカシオ計算機が躍進して台数シェア5%に迫った。インクジェットメーカー大手の役員は「いままでのようなマーケティング戦略では、ユーザーの購買力が上がらない」と、2010年はTVコマーシャルなどの打ち出し方法を変えるという。

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