頂上熱戦

【頂上熱戦】「ページプリンタ」 ブラザー販売とキヤノンマーケティングジャパン(前編)

2010/02/25 18:45

週刊BCN 2010年02月22日vol.1322掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。

Question. 製品戦略は?

【共通質問事項】 (1)自社の強み (2)主力製品  (3)09年12月~10年1月が好調だった理由

(左から)ブラザー販売「MFC-9120CN」、キヤノンMJ「LBP8630」


Answer.ブラザー販売

大澤敏明
マーケティング推進部
商品企画G
担当部長
(1)【自社の強み】オフィス向け複合機・プリンタブランド「JUSTIO」は、コンパクトなボディでありながら、高速印刷、大容量の給紙など高性能を追求したのが特徴。「極小空間にジャストフィットする一台」として、ユーザーの利用目的を細分化。それに応える形で、A4対応モデルを豊富にラインアップしている。また、ファクシミリなどの通信機能に強みがあり、小型複合機メーカーのパイオニアとしての自負がある。

(2)【主力製品】複合機では、09年11月発売のカラー機「MFC-9120CN」と同年10月発売のモノクロ機「MFC-8380DN」。前者は国内モデルとして最薄、後者は自動両面印刷・スキャンに対応する。一方、プリンタはモノクロの「HL-2140」が好評を博している。このほか、すべてのモデルで給紙容量250枚以上を実現。トナーとドラムを分離したことでそれぞれを交換しやすくしたなど、日ごろから身近に使っていただく製品だからこそ、業務の効率化に結びつく使い勝手に配慮した。

(3)【好調だった理由】09年12月に関しては、一部で年賀状のニーズがあった。さらに、Windows 7発売によるPCの買い替え需要が後押ししたとみている。周辺機器であるプリンタ市場の動きは、PCによって左右されるからだ。ページプリンタ市場全体の動向は、リーマンショック以降は低迷していたが、景気の動きと連動して対前年の下げ幅は徐々に小さくなってきており、底を脱したという感触はある。


Answer.キヤノンマーケティングジャパン

松永圭司
ビジネスソリューションカンパニー
オフィスデバイス商品企画本部
ページプリンタ商品企画部部長
(1)【自社の強み】「Satera」は、A3、A4に対応するカラー、モノクロ機のラインアップが豊富な点。他社と比較してバランスよく揃えている。また、プリンタを制御・管理する独自のページ記述言語「LIPS(LBP Image Processing System)」を採用していることも強みだ。キヤノンの旧モデルとの互換性があるため、企業が新製品を導入する際、既存の基幹システムを継承しやすい。プリンタと複合機共通のドライバを備え、操作画面を統一して使いやすさを高めている。

(2)【主力製品】2010年に注力するモデルは、A3サイズ対応のカラー、モノクロ機。具体的には、09年3月に発売したカラーの「LBP9600C」「LBP9500C」「LBP9100C」と、10年1月発売のモノクロの「LBP8630」「LBP8620」「LBP8610」の6機種。「トナーが少なくなっている」というお知らせをメールで受け取る、ECサイトと連携して消耗品を購入できる、などの各種サービスを、年間保守契約なしで受けられるようになるのがポイント。モノクロ機は3月末・4月から、カラー機は7月から実施する。

(3)【好調だった理由】例年だと3月に集中していた地方自治体の案件が、小型案件についてはこの時期まで前倒しになったケースがあるとみている。年末は、店頭で実施した「キャッシュバックキャンペーン」が功を奏した。一方、1月は、09年に買い控えしていた大手企業が、コストダウンが見込める案件については着手し始めたと考えられる。


・後編に続く
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