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<日本IBMの『クラウド』が競争力を生む「大きく変わるパートナーリング」>最終回 クラウドを味つけするのが日本IBM
2011/01/20 21:07
週刊BCN 2011年01月17日vol.1366掲載
クラウドコンピューティングを発展させるためには、複数のITベンダーや通信事業者などのプレーヤーが相互に連携する「パートナリング」を強固にし、新たなクラウド・サービスを生み出す必要がある。日本IBMが2010年1月に打ち出した「日本IBMパートナービジネスの骨太方針」のなかでは、この必要性が随所に示されている。ニフティが展開するクラウド・サービス「ニフティクラウド」を中核とした「エコシステム」は、日本IBMが支援する「協業パートナー」制度のなかで、最も期待の大きいモデルだ。(谷畑良胤)
ニフティのIaaS型クラウド・サービス「ニフティクラウド」は、2010年1月27日のサービス開始以来、一般企業やゲーム会社、SNS事業者などを中心に500社以上が導入した。最近では、データセンターを保有しないシステムインテグレータ(SIer)や独立系ソフトウェアベンダー(ISV)から、「基盤を借りたい」という依頼が増えてきた。
ニフティは、競合視する「Amazon EC2」がそうであるように、IT業界領域に手を伸ばさなければ事業が発展しないと考えていた。期せずして、サービス拡大とともに、その可能性が広がっている。だが、「IT業界関係へ展開するノウハウがない」(福西佐允営業本部サービスソリューション営業部部長)と、その世界で得意技をもつITベンダーを欲していた。
日本IBMや同社のサーバーやストレージなどの販売パートナーであるデジタルテクノロジーが、ニフティを支援している理由はそこにある。数多あるクラウド支援ベンダーのなかで、日本IBMなどを選択した理由はこうだ。「一つはIBMハードウェアの安定性。それ以上に、米IBMが本国での先行事例を多くもち、ナレッジがあり、しかもビジネス構築を支援するアクションが早い」(福西部長)ことが決め手となった。「ニフティクラウド」を味つけする「協業パートナー」として、いまや欠かせない存在になっている。
デジタルテクノロジーの新井剛・営業部部長は「SIerやISVからは、『ニフティクラウド』を借りて何かをしたい、との問い合わせが相次いでいる。当社には、構想段階から支援してほしい旨、相談を受け、ビジネスモデルを一からつくることもある」という。最近では、ISVの導入が顕著に増えている。DTSの運用監視サービスやドリーム・アーツの多店舗情報共有システムなど、多岐にわたるISVがSaaSを展開する基盤として「ニフティクラウド」を使い始めているというのだ。
ニフティの福西部長は、こうしたニーズの高まりを受け、「デジタルテクノロジーや日本IBMとともに、パートナー制度を設けたい」と、地域のSIerやISVを巻き込む新展開を模索中だ。
日本IBMの中堅・中小企業向けサービス・モデル「IBM サービス・オリエンテッド・パートナリング(SOP)」は、従来のシステム提供にない、新旧入り混じったパートナー間の新たなサービス展開と、同時に「バリュー(付加価値)」を生み出している。
クラウドコンピューティングを発展させるためには、複数のITベンダーや通信事業者などのプレーヤーが相互に連携する「パートナリング」を強固にし、新たなクラウド・サービスを生み出す必要がある。日本IBMが2010年1月に打ち出した「日本IBMパートナービジネスの骨太方針」のなかでは、この必要性が随所に示されている。ニフティが展開するクラウド・サービス「ニフティクラウド」を中核とした「エコシステム」は、日本IBMが支援する「協業パートナー」制度のなかで、最も期待の大きいモデルだ。(谷畑良胤)
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