その他
関西でDCの建設ラッシュが起きている!? DR対策として注目を浴びるDC建設地の分散化
2011/06/09 14:53
週刊BCN 2011年06月06日vol.1385掲載
日本では、何もかもが東京に集中している。政府機関をはじめ、有力企業の本社や有名な大学、研究機関、文化施設など。そして、クラウド時代のITインフラの基盤となるデータセンター(DC)も、例外ではない。日本のDCの大半は、東京23区を中心とした首都圏に所在しているのが実情だ。
日本のDCアウトソーシング市場を地域別でみると、関東地方にあるDCの2010年のシェアは72%(IDC Japan調べ)で、さらに、2014年には77%に達する見込みだ。IDC Japanがこの予測を発表したのは、「3.11」の約2週間前の2月28日だった。東日本大震災、原発事故による関東地方の大幅な電力不足問題の影響を受け、DCを重点的に関東地方に新設する動きは、果たして続くのか。
最近、取材する際によく耳にするのは、関西でのDC建設ラッシュの話だ。DC向けにネットワーク機器を展開するあるメーカーの社長は、こう語っている。「震災や停電が発生したときの対策として、大阪などでバックアップ用のDCを開設することが活発化している。もう場所がないくらい、関西ではDC建設のラッシュが起きている」。関西のDC建設ラッシュは、ここにきて、IT業界で注目を集めつつあるのだ。
関西で実際にDC建設が増加しているかどうかについては、今のところまだ具体的な数字が出ていない。ただ、今回の震災/電力不足に強いインパクトを受けたDC事業者が、急ピッチでディザスタ・リカバリ(DR)対策を練っているのは、想像に難くない。ウェブサービスを提供し、都内でDCを運営しているソフィア総合研究所は、震災後の4月中旬に、大阪市内にDCを開設することを明らかにした。関西DCの開設は、「万一の災害時に備え、関西DCでDRサイトの設置やデータバックアップを行う」ことを目的としているという。一つの事例でしかないが、DC事業者が関西に着眼してきていることを読み取ることができる。
そもそも、これまで多くの企業がDCの場所として地価の高い東京/関東地方を優先してきたのは、なぜだろうか。クラウドコンピューティングはIT機器の設置場所を問わないので、本社から遠く離れた場所にDCをもっていても、問題はないはずだ。DCが自社の近くにあるのは便利といえば便利だが、DRや事業継続の観点からすれば、DCが一つの地域にぎっしりと集まるのではなく、所在地を分散したほうがいいように思える。
東日本大震災の影響で、関西だけでなく、日本の各地方がDC建設地の候補として注目を浴びてくる可能性が高い。DC建設地の分散化は、DR対策はもちろんのこと、地域の活性化につながるポテンシャルをもっているのだ。(ゼンフ ミシャ)
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