BCN(奥田喜久男社長)は、スマートデバイス(スマートフォンとタブレット端末)をテーマにしたセミナー「SIerのためのビジネス講座」を、3月23日に開催した。スマートデバイスに関連するITソリューションを、SIerに商材として提案する内容で、クオリティソフト(久保統義社長)とGMOグローバルサイン(中條一郎社長)とともに開いた。(取材・文/木村剛士)
クオリティソフト
1万7000社納入のクラウドを提案
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ソフトバンクモバイル 中山五輪男 シニアエヴァンジェリスト |
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クオリティソフト 坂田光太郎 部長 |
セミナーは三部構成で、最初のセッションではソフトバンクモバイルのビジネス推進統括部の中山五輪男シニアエヴァンジェリストが講演した。中山氏は、アップルが日本で二人しか認定していないiPadのエヴァンジェリスト(もう一人は、ソフトバンクの孫正義社長)である。iPadに関する講演を1年間に300回ほども行っている。セッションでは、ユーザーの導入事例を紹介した。異なる企業規模と業種の事例を5種類ほど披露。動画を多用したプレゼンテーションで参加者を魅了した。中山氏は、iPadを「魔法のデバイス」とアピールし、ビジネス用途でも利用価値が高いことを強調して、講演を締めくくった。
続いて、クオリティソフトの坂田光太郎・ゼネラルビジネス営業部部長が壇上に立って、自社開発のクラウド「ISM CloudOne」を紹介した。「ISM CloudOne」は、AndroidとiOSを搭載するスマートデバイスの資産情報を、パソコンとほぼ同じ方法で収集・管理して、情報の漏えいも防ぐことができるサービス。OSや端末の種類、またIPアドレスさえわかれば通信環境を問わずに複数のデバイスを一元管理できる。端末の仕様やインストールされているソフトの種類、ユーザー情報を収集するほか、VPNなどの設定も複数の端末に同時に行うことができる。また、万一端末を紛失した場合は、ネットワークを通じて遠隔地から操作を制御したり、業務に必要ないアプリケーションの操作をできなくしたりも可能。坂田部長は、「スマートデバイスは、外出先で利用することが多いので、パソコンよりも高いセキュリティレベルが求められる」と、MDMソリューションをユーザー企業に提案する必要性を語った。「ISM CloudOne」は、昨年末で1万7000社のユーザー企業を獲得しており、今年末までには累計3万社を目指している。
GMOグローバルサイン
「端末」認証の有効性を説明
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GMOグローバルサイン 中嶋康章 氏 |
最後は、GMOグローバルサインの法人営業部・中嶋康章氏が登場し、スマートデバイスからの情報流出を防ぐための「端末認証ソリューション」を解説した。
GMOグローバルサインは、「電子証明書」というプログラムを端末に組み込むことで、電子証明書がない端末(不正端末)からのアクセスを遮断し、情報漏えいを防ぐソリューションを提供している。ID・パスワードの入力では、万が一漏れた場合に、その情報を得た不正ユーザーが、ネットワークやシステムにアクセスできてしまう危険性がある。だが、電子証明書を活用すれば、ID・パスワードによる「人」の認証に加え、「端末」も正規か否かをチェックでき、セキュリティ強度が高まるというわけだ。
スマートデバイス向けでは、「マネージドPKI Lite for Mobile」を用意しており、iOS搭載のデバイスに電子証明書を組み込むことができる。電子証明書は、無線ネットワークを経由して、複数の端末に一括配布が可能で、iPhoneやiPad利用者は、配信されたメールのURLをクリックするだけで済む。この容易な導入方法が特徴だ。
中嶋氏は、機能を説明したうえで、販売パートナー制度を紹介。「販売のコミットメント(必達目標)は設けていないので、販売パートナー制度に加入するリスクもない。販売後のサポートは当社が行うので手間もかからない。スマートデバイスを販売する際の付加価値ソリューションとして、当社のサービスを検討してもらえたらありがたい」と話し、多くのパートナーと協業体制を敷きたい意向を示した。
あいにくの空模様だったものの、会場は満席。MDMと端末認証というソリューションに最後まで耳を傾ける参加者が多く見られた。スマートデバイスに関するSIerの関心の高さを印象づけるセミナーだった。