その他
“アジアODM”でNW機器を低価格化 日本ベンダーは早めの対応を
2012/04/19 14:53
週刊BCN 2012年04月16日vol.1428掲載
スイッチをはじめとするデータセンター(DC)向けのネットワーク(NW)機器業界に、異変が起ころうとしている。台湾や中国などアジア諸国のメーカーは、高性能ながら低価格のネットワーク製品を投入し、シスコシステムズやジュニパーネットワークスなど米国の大手プレーヤーからシェアを奪う動きをみせ始めた。
台湾や中国では、急速なスピードでスキルの向上が進んできており、ネットワーク機器メーカーは「ODM(Original Design Manufacturer)」をキーワードに掲げて、米国や日本などのマーケットで攻勢を強めている。ODMとは、他企業のブランド名で製品を生産する「OEM(Original Equipment Manufacturer)」の範囲を広げて、生産だけではなく、製品の設計やデザインも受注企業が手がけることを意味している。発注する側として、OEMよりもコストを下げることができるわけだ。アジアのメーカー(受注側)はODMのかたちで、米国などのベンチャー企業(発注側)に価格を抑えたネットワーク機器を提供する。自社名を前面に打ち出さずに、発注企業による販売を通じて、これまでシスコシステムズなど大手プレーヤーが支配してきた市場を切り崩しつつあるのだ。
アジアのメーカーに製品の設計から製造をアウトソーシングし、米国市場で低価格スイッチを提供するベンダーの一例が、2009年設立のPica8(ピカエイト)社である。日本では、このほどIT機器のディストリビュータであるエヌ・シー・エル・コミュニケーション(NCLC)が、Pica8のスイッチの国内販売を開始した。NCLCは、高い性能と低価格の両立を図るPica8の“アジアODM”製品を商材として、日本のDC市場の開拓に取り組む構えだ。同社の関根尚社長は、「アメリカでは、グーグルやアマゾンの有力なクラウド事業者はサービス料金を極力抑えるために、DCの新設・増設にあたって、米国の大手プレーヤーからアジアのODMベンダーへと、大規模に調達元を変更している」と、米国のネットワーク機器市場で確実に異変が起こっている事実を語る。
では、この動きは、日本のITベンダーに果してどのようなインパクトを与えるのか──。日本のDC運営者はネットワーク機器を中心に、ハードウェアの導入コストを少しでも引き下げたいと考えており、ITベンダーにとっては、(高性能であることを前提として)低価格な商材をもつことは強力な武器になることは間違いない。しかし、現状で、シスコやジュニパーなど一社の製品に特化して販売を行うベンダーが多く、そう簡単に取り扱うメーカーを変えることはできないだろう。日本のITベンダーは、アジアのODM事業者と彼らに発注するメーカーの動きをウォッチし、今後さらに激しくなる価格競争に向けて、早めに製品ポートフォリオの拡大を検討する必要がある。(ゼンフ ミシャ)
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