その他
スマートコミュニティがこれまでのIT民需を生む 医療向け会計など
2013/01/10 21:03
週刊BCN 2013年01月07日vol.1463掲載
経済産業省は「スマートコミュニティ導入促進事業」を宮城県石巻市など東北地方8地域で開始する。経産省は東北以外に公募形式で全国5自治体にも予算を配分し、「環境配慮型社会」への取り組みを本格化する。2012年12月の衆議院選挙で政権が交代したが、新政権がこの事業を“仕分け”することはないだろう。この地域全体を巻き込んだ大規模で多岐にわたる事業は、環境関連など社会インフラ向けの新しいIT産業を活性化する効果があるだけでない。意外と語られていないが、従前の企業向けシステムの需要をも生む可能性がありそうだ。
スマートコミュニティ事業では、事業所や商店街、家庭などのエネルギー消費の多い需要家にHEMS(Home Energy Management System)やBEMS(Building and Energy Management System)を導入し、エネルギーマネジメントを実施したり、電気自動車(EV)などを利用した環境に配慮した交通インフラを整備したりする。 IT産業の視点でみると、中堅・中小のITベンダーにとっては、スマートメーターの制御開発や事務所のファシリティに関連する運用管理など、新規参入しなければ得られない、“敷居の高い”IT需要しか存在しないと考えがちだ。北九州市の「スマートコミュニティ創造事業」に参画する日本IBMは、市民への環境学習や小型モビリティシステムの導入など、「市民生活に直結するIT需要も生まれる」とみる。社会インフラだけでなく、民需も期待できるとして、北九州以外でもスマートシティ事業に関わる。 ある専門家は、「スマートシティ(コミュニティ)は、地域全体を網羅する戦略的な取り組みだ」と、期待が大きい旨を口にする。つまり、エネルギー問題の解決だけでなく、生活の利便性を図ったり、地域の産業活性化など「プラスαのイノベーションを求めること」と定義づけている。 実際、多くの地域でのスマートコミュニティ事業では、民需を含めた産業再生へ向けた構想が盛られている。ある地域の同事業に関わる業務ソフトウェアベンダーの幹部によれば、国家的な課題として少子高齢化があり、とくに地域では医療・福祉施設の利便性を高めることが課題になっている。このため、これらに関連した地域医療体制などの構想が同時に動いているという。さらに、原子力発電所に変わるエネルギー施設として、例えば風力発電など環境配慮型の設備を建設したりする。 この動きのなかで、医療・福祉施設や建設業に向けた会計システムや販売管理システムなどが売れる可能性が出てくる。景気低迷で厳しい状況にある民需だが、スマートシティが全国各地に拡大し、急速に進展すれば、これまでのITでも売れるということだ。(谷畑良胤)
経済産業省は「スマートコミュニティ導入促進事業」を宮城県石巻市など東北地方8地域で開始する。経産省は東北以外に公募形式で全国5自治体にも予算を配分し、「環境配慮型社会」への取り組みを本格化する。2012年12月の衆議院選挙で政権が交代したが、新政権がこの事業を“仕分け”することはないだろう。この地域全体を巻き込んだ大規模で多岐にわたる事業は、環境関連など社会インフラ向けの新しいIT産業を活性化する効果があるだけでない。意外と語られていないが、従前の企業向けシステムの需要をも生む可能性がありそうだ。
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