社宅管理代行業務のパイオニア、リーディングカンパニーとして、不動産管理の分野で大きな存在感を示すタイセイ・ハウジー。関東地方を中心に、本社を含めて全国42か所の営業拠点で業務を展開している。日々、契約書や顧客の個人情報など、機密性の高い情報を大量に扱う同社にとって、情報漏えい対策とその前提となるIT資産の適切な管理は重要課題だった。クライアントPCの運用管理を総合的に支援するインターコムの「MaLion 3」を導入することで、システム管理者の負担を軽減しながら、万全の体制を構築した。
ユーザー企業:タイセイ・ハウジー
社宅管理代行や賃貸・分譲住宅の保守・建物管理、不動産の売買・仲介などを手がける総合不動産会社。1985年4月設立。従業員数は約800人(パート、契約社員含む)。
プロダクト提供会社:インターコム
プロダクト名:「MaLion 3」
【課題】非効率だった台帳整理とソフト運用
タイセイ・ハウジーは、全国42か所の営業拠点で約1000台のPCを活用している。顧客との信頼関係があってはじめて成立する同社のビジネスは、情報セキュリティの確保とコンプライアンスの遵守が大前提となる。そのため、社内のIT化の進展とともに、IT資産管理と情報漏えい対策のソリューションに対するニーズが急速に高まっていた。
同社は従来、IT資産管理ソフトを使っておらず、PCやソフトウェアなどのライセンス管理には大きな労力を費やしていたという。平野岳志・情報システム部係長は、「エクセルで台帳を作成し、プリントアウトして各営業所に配布するやり方をとっていた。そして、その用紙にIT資産の変更があった場合に書き込んでもらい、それを再度集約して変更点を人力で入力するという作業を毎月行っていた」と振り返る。
一方、情報漏えい対策としては、PCの各種ログ監視やUSBメモリの利用禁止といった取り組みを進めており、リモート操作機能も導入していた。しかし、目的ごとに別のソフトウェアを使っており、その管理も煩雑だったという。さらに、情報システム部の鬼塚崇光・マネージャーは「既存ソフトの操作ログ監視機能は実用面で問題があって、ほとんど使っていなかった」と実情を話す。
こうした問題を解決するために、システム部門は、IT資産管理と利用者のログ収集を一つのシステムでスムーズに行うことができるソフトウェアの導入を検討し始めた。数種類のソフトウェアを調査し、実際にデモを見て、社内でアンケート調査も行った結果、採用したのがインターコムの「MaLion 3」だ。

右から渡邊仁志・日本情報産業第一営業部第三営業課副主任、中村繁夫・タイセイ・ハウジー情報システム開発部係長、平野岳志・情報システム部係長、鬼塚崇光・情報システム部マネージャー、川畑祐子・インターコム営業本部MaLion営業部主任【解決と効果】操作性と費用対効果が決め手
ソフトウェアの選定にあたってポイントになったのは、操作性とコストパフォーマンスの高さだ。デモを行った後のアンケートでは「異なる機能を共通のインターフェースで操作できるし、画面構成も見やすい」と、「MaLion 3」に対する評価が最も高かったという。
また、販社である日本情報産業と以前から協力関係にあったことも、決断を後押しした。タイセイ・ハウジーは、従来から日本情報産業にヘルプデスクを一部委託しており、そうした環境を生かして「日本情報産業のホスティングサーバーを利用する形態でも『MaLion 3』はスムーズに導入できるということだったので、それも魅力だった」(中村繁夫・情報システム開発部係長)という。サーバーのメンテナンスを含めて、システム運用の負荷軽減も実現したわけだ。
日本情報産業営業本部の渡邊仁志・第一営業部第三営業課副主任は、タイセイ・ハウジーに「MaLion 3」を提案した理由について「機能とコストのバランスがユーザーのニーズに最も合致すると判断した」と説明する。これに対してインターコムの営業担当、川畑祐子・MaLion営業部主任は「送信メール監視や不正PC遮断など、他社ではオプションとなる機能も含めて、オール・イン・ワンで装備していて、操作性にもすぐれるのが『MaLion 3』の特徴。それを評価していただいたことがうれしい」と話し、手応えを感じている様子だ。
昨年9月から本格的に運用を開始し、すでにライセンスの適正な利用、台帳管理の効率性向上、IT資産管理と情報漏えい対策のシステム一元化によるコスト削減など、関係者は共通してメリットを実感している。さらに、「各種ログを網羅的に収集できるようになったので、内部統制の強化につながって、不正行為が抑制されるようになった」(平野係長)といい、これを機会にセキュリティポリシーを改めて見直し、さらなる情報漏えい対策を講じる方針だ。また、利用していないソフトウェアの洗い出しなども行い、IT投資の適正化も進めたいとしている。(本多和幸)
3つのpoint
PCやソフトウェア利用の適正化
IT資産管理と情報漏えい対策を両立
各種ログ収集による内部統制の強化