セールスフォース・ドットコム(SFDC、宇陀栄次社長)は、Salesforce製品の連携ソリューションや、Salesforce上で独自のアプリケーションを提供するアプリケーションパートナーの拡充に力を注いでいる。その一環として、月に一回程度、SaaS事業を検討するITベンダーを対象に、東京・丸の内の本社でパートナープログラムを紹介するセミナーを開催している。7月26日に行われたセミナーの様子を取材した。(取材・文/真鍋武)
パートナー制度は大きく分けて3種類
セミナーの講師は、アライアンス本部ISVアライアンス部の大森浩生氏が務めた。大森氏は、冒頭、「1999年設立のSFDCは、2000年に日本法人を立ち上げて、すでにわが国で13年の実績がある。外資系の会社ということもあって、『日本から撤退するのではないか』といわれることがあるが、そのつもりはない。日本の有望な中堅・中小ベンダーの複数の企業と資本業務提携して、クラウドビジネスを盛り上げようとしている。また、2011年12月には、日本でデータセンター(DC)を開設している。SFDCの日本での売り上げは、米国に次いで2番目だ。成長の余地は大きく、これからも投資していく」とSFDCにとっての日本の位置づけを話した。

アライアンス本部ISVアライアンス部大森浩生氏 そのうえで、パートナープログラムを紹介。SFDCのパートナープログラムは、大きく分けて「コンサルティングパートナー」「Value Added Reseller(VARパートナー)」「アプリケーションパートナー」の3種類がある。
「コンサルティングパートナー」は、エンドユーザーのニーズに合わせたカスタマイズや導入支援など、サービスビジネスを中心としたパートナーだ。Salesforce製品を見込客に紹介して、契約が成立すれば紹介手数料を受け取る仕組みだ。「VARパートナー」は、Salesforce製品のライセンスを再販するパートナー。ライセンス販売後には、ユーザーの要望に応じて他システムとの連携を手がけるなどして付加価値を提供できる。また、サポートの一次受付も行う。「コンサルティングパートナー」と「VARパートナー」になるためには、セールスフォース・ドットコムの認定資格の取得が必要とされる。
認定資格がいらないアプリケーションパートナー
「アプリケーションパートナー」は、「ISV force」と「Force.com Embedded(OEM)」の2種類で、認定資格を取得する必要はない。「ISVforce」は、「SalesCloud」「ServiceCloud」「Chatter」など、既存のSales force製品ユーザーをターゲットとして、帳票管理や在庫管理などの連携ソリューションを提供するパートナー向けのプログラム。連携ソリューションは、「Force.com」上に連携アプリケーションを構築して提供する方法と、パートナーの既存製品とAPIを用いて連携する方法がある。「OEM」は、PaaS「Force.com」上で構築したネイティブアプリを自社のSaaSとして提供するパートナー向けのプログラムだ。
大森氏は、「アプリケーションパートナー」プログラムについて、「決して当社だけが利益を上げるためのプログラムではない。パートナーと一緒に成長していくことを目的としたものだ」とアピールした。
シニアディレクターが語るSalesforceのメリット
現在、当社のなかでも、アプリケーションパートナーが最も急速に増えていっている。とくに、自社で大規模なインフラ環境を構築していない中小規模のアプリベンダーに、Salesforceを活用していただくことが多い。

アライアンス本部
ISVアライアンス部
シニアディレクター
御代茂樹氏 Salesforceのプラットフォームの最大の特徴は、アプリケーションを配布したり、メンテナンスしたりする手立てまでを提供していることだ。一般的に、ミドルウェアを含んだ開発環境が整っていることがPaaSといわれるが、実際にはアプリケーションを開発した後には、メンテナンスやライセンス管理、アップデート後のユーザーへの配布など、さまざまな作業が発生する。一方で、Salesforceのプラットフォームでは、これらの機能をすべて標準提供している。こうしたメリットもあって、はじめはユーザーだったITベンダーのお客様が、利便性に気づいてパートナーになるケースも少なくない。
また、「ISVforce」と「OEM」で提供するアプリケーションをクラウドマーケットプレイス「AppExchange」上に掲載することで、パートナー企業は、エンドユーザーの獲得につなげることができる。エンドユーザーを対象としたイベントやセミナーも開催している。
現在、Salesforce上で提供しているアプリケーションは、約200タイトル。これを毎年100タイトル程度のペースで増やしていきたい。