日本オラクル(デレク・エイチ・ウイリアムズ社長)は、UNIXサーバーである「SPARC」サーバー製品群のパートナー体制を強化し、シェア拡大に本腰を入れて取り組んでいる。とくにエントリモデルのT4シリーズなどは、従来、x86サーバーにシェアを奪われるかたちになっていたが、この1年半で販売パートナー数を約50社から4倍の約200社まで増やして、販売網を大幅に拡大。反転攻勢をかけている。

宮坂美樹
システム事業統括
プロダクト・
マネジメント・
オフィス本部長 宮坂美樹・システム事業統括プロダクト・マネジメント・オフィス本部長は、パートナー拡充の背景について、「近年のパートナー回帰ともいえる当社の施策が浸透したことで、いったん『SPARC』から離れた旧サン・マイクロシステムズのパートナーが戻ってきてくれている」と分析する。
日本オラクルのハードウェア製品の商流は、80%が何らかのかたちでパートナーを経由する。細かくみると、ハイエンドのMシリーズ、ミッドレンジのT5シリーズや、エンジニアド・システムの「Oracle SuperCluster」製品は、直販とSIer系パートナーの間接販売が中心で、T4シリーズはダイワボウ情報システム、ソフトバンクBBという2社のディストリビュータのリセラー網で販売している。T4のパートナー拡充にあたっては、このディストリビュータ2社と連携し、全国でパートナー発掘のためのキャラバンを展開するなど、地道に活動を行ってきた。その成果もあって、パートナーの数は1年半で4倍の約200社に増えたわけだが、継続して地方を含めた全国での草の根活動を続け、最終的にはさらに倍の400社以上まで拡大する意向だ。
この背景として、IBMがx86サーバー事業を売却したことの影響も見逃せない。日本オラクルは、IBMがx86サーバー事業をレノボに売却したことで、製品のブランド力や信頼性の面でユーザーのイメージは間違いなく落ちるとみて、「SPARC」サーバーでそのシェアを奪おうとしている。実際、これまでIBMのx86サーバーを扱ってきた販社から、「『SPARC』を扱いたいという引き合いが非常に増えている」(宮坂本部長)という。
とくに、社会保障・税番号制度などでシステムの抜本的刷新が見込まれる公共市場では、セキュリティや信頼性、保守、サポートの充実などを重視するユーザーが多い。宮坂本部長は、「公共系はもちろん、さまざまな分野のユーザーが、UNIXの保守の充実や高い信頼性を再評価し、回帰する動きが始まっている」と話す。公共向けには、キーとなるパートナー向けに特別なパートナー制度を用意する方針で、同社の思惑通りにいけば、IBMのx86サーバーの既存ユーザーの市場が“草刈り場”になる可能性もある。(本多和幸)