ネットイヤーグループ(石黒不二代社長CEO)は、デジタルマーケティングを切り口としたユーザー企業のデジタル変革を後押しする。ユーザー企業内のデジタルマーケティングを担うマーケティング部門や事業部門と、全社の情報システムを担う情報システム部門の連携を促進。これまでの部門単位の“販売促進”の一環としてのデジタルマーケティングから、全社規模のデジタル変革であるDXへとつなげる手法を柱と位置付ける。

ネットイヤーグループの石黒不二代社長CEO

 デジタルマーケティングは、売り上げや利益を伸ばしたいというユーザー企業の課題を解決する手法の一つ。ネット通販や実店舗などとの融合を柱としたオムニチャネル、それによってもたらされる新しい顧客体験を切り口にマーケティングを展開するものだが、近年では「全社規模の変革につなげたいと考えるユーザー企業が増えている」(ネットイヤーグループの佐々木裕彦・執行役員デジタルビジネスデザイン事業部長)と指摘。経済産業省のDXレポートに触発されるかたちでDXの機運が高まっていることも追い風になっている。

 従来の販売促進活動の一環としてのデジタルマーケティングでは、四半期単位の投資対効果や、長くても単年度ベースで売り上げや利益が伸びたか、顧客数は増えたかの効果確認をすることが多かった。この手法では、情シス部門が担う基幹業務システムの改修や、業務部門の業務プロセスの見直しには短すぎて、全社のDXにつなげるのは難しい。そこで、数年単位の長いスパンで取り組めるよう、デジタルマーケティング部門と情シス部門の連携を促進したり、時間軸の考え方の差異を縮めていく支援を重点的に行っていく。

 ネットイヤーグループは、デジタルマーケティングを強みとしてきたが、基幹業務を含むシステムの改修やプロセスの見直しを伴うようなDXを単独で行うことは難しかった。だが、今年3月、SIer最大手のNTTデータとの資本業務提携を通じて、NTTデータグループ傘下に入ったことで、「デジタルマーケティングから全社規模のDXまで一気通貫に行える体制を大幅に強化」(石黒社長)している。
 
NTTデータの有馬勲執行役員

 両社の協業を推進してきたNTTデータの有馬勲・執行役員ITサービス・ペイメント事業本部長は、「デジタルマーケティングを強化する流れの中で、ネットイヤーグループは強力なパートナーとなってくれる」と話す。NTTデータはこの9月、店舗で手に取った商品をそのまま持ち帰ることのできるレジ無しデジタル店舗システムを発表するなど、デジタルマーケティングに積極的に取り組んでいる。

 ネットイヤーグループは、NTTデータと共同でデジタルマーケティングを出発点としたDXビジネスの推進効果などを踏まえて、今年度(2020年3月期)連結売上高は前年度比12.4%増の62億円を見込んでいる。(安藤章司)