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ニーズが高まるテスト自動化ツール 生成AIで属人化からの脱却へ
2025/08/07 09:00
週刊BCN 2025年08月04日vol.2070掲載
(取材・文/大畑直悠、堀 茜)

米Keysight Technologies日本法人
テストケースの網羅性の高さに強み
米Keysight Technologies(キーサイト・テクノロジー)は、2020年に買収したソフトウェアテスト自動化ツール「Eggplant」を統合テスト基盤のAI-Powered Software Test Automationとして展開し、テストケースの作成や実行の自動化に加え、レポートや開発部門との連携などを一貫して支援している。AI-Powered Software Test Automationは、テスト対象のUIやシステムの状態を模式的に表現した「モデル」を基にテストケースを作成する「モデルベーステスト」と、あらかじめテストケースを作成するのではなく、テストの設計と実行を並行して行う「探索的テスト」を組み合わせる点が特徴。ここにAIを適用することで、人手では限界がある広範囲なテストケースを網羅できる。不具合が発見されたテストケースをAIが学習し、次のバージョンアップやリリース時などに重点的にテストさせることもできる。また、ローコードでテストスクリプトを作成できるため、ユーザーは最低限のスキルがあれば製品を活用できる。
製品アップデートも進めており、仕様書から自動でシステムのモデルを構築し、これを基にテストケースを作成する生成AI機能を開発。国内では、ベータ版として提供しており、スキルに依存しないテストケースの作成が可能になる。
宇宙開発や医療、金融、自動車といった高い品質が要求される業界で利用されている。独SAP(エスエーピー)や米Salesforce(セールスフォース)製品など、幅広いシステムに対応していることに加え、組み込み型ソフトのテストでの導入事例も多い。対象のシステムにインストールせず、リモート接続でテストを行うため、ハードウェア側のCPUやメモリーといった仕様の制限を受けずにテストできる点が支持されているという。

竹中慎吾 Executive
ソフトウェアテスト事業は好調に推移しているといい、その背景には人手不足に加え、アジャイル開発の普及などで開発の頻度やスピードが高まった結果、テストも高速化をする必要がある。キーサイト・テクノロジー日本法人のグローバルソフトウエア営業本部エンタープライズソフトウェア営業部Eggplant営業課の竹中慎吾・Eggplant Software Account Executiveは「エンドユーザーからの品質への要求やテストの業務量が増加している中、課題がテスト自動化ツールの導入コストを上回り、導入に踏み切る顧客が増えている」と話す。
現在のところ、テスト自動化ツールの普及は限定的とみており、ほとんどの企業の開発部門は未導入で、SIerの中でもEggplantのようなツールを利用していない企業はまだまだ多いという。今後は既存パートナーとの連携や、新規パートナーの獲得を通して商機をつかむ考えだ。
組み込み型ソフトウェアに関しては、自動車のSDV(ソフトウェア定義型車両)化などでハードだけではなくアプリケーション部分の重要性も高まっていることを受け、キーサイトがこれまで主力事業としていた測定機器などと併せて、ハードウェアとソフトウェアの双方のテストにも対応できる点を訴求する。

鄧 明智 Manager
導入・活用支援のサービスも提供しており、グローバルソフトウエア営業本部Eggplantの鄧明智・Manager, APAC Technical Servicesは「導入時に既存のテスト業務からの切り替えの支援のニーズは高い」と分析し、コンサルティングサービスの提供でテスト業務のプロセスの構築の支援が重要になるとの見方を示す。
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