Special Issue

<ネットワークソリューション特集> エンタープライズは横ばいの状況が続くが 中堅・中小企業向けのネットワーク市場が急速に拡大 前編

2007/12/20 19:56

週刊BCN 2007年12月17日vol.1216掲載

「法人」を注力事業に据えるバッファロー
「Business Switch」シリーズの提案の幅を大きく広げる

■品質・安定性に軸足を置いた製品開発

 BCN AWARDの常連として、コンシューマ市場で圧倒的な強さを見せるバッファロー。品質・機能性の高さが認められ、市場での認知を拡大し、多くの製品分野でトップシェアを獲得している。

 その一方で、同社は「法人」市場にフォーカスを当てた事業を積極的に展開している。

 「これまで、メルコグループとして“海外”“デジタルホーム”“法人”を注力市場として取り組んできました」と、コーポレート営業部テクニカルサービスグループの富山強リーダーは語る。

 法人市場では同社の強みであるネットワーク機器やRAID5対応LAN接続ハードディスク「TeraStation」シリーズなどでSMB(中堅・中小企業)領域を開拓し、法人市場でも確固たる地位を確立し始めている。官公庁・文教市場や病院のほか、一般企業などの導入も増え、法人向けバッファロー製品は着実に浸透している。

 「法人向けに製品を提供し始めたのは2-3年ほど前からです。徐々に製品ラインアップも拡充し、06年頃からは市場でも目立つようになってきました。法人市場では、保守なども重視されるため、NECフィールディング様などパートナー様との協業も進めています。こうしたアライアンスは確実に結果として実を結んできています」(富山リーダー)。

■エッジからフロアまでラインアップを増やす

 スイッチ市場においては「Business Switch」シリーズとして、「品質」「安定性」を重視してラインアップを拡充している。07年11月には、L3インテリジェントスイッチ「BS-G3024MR」をリリースし、L2からL3スイッチまでの製品を揃えた。

 今や、企業においてネットワークはインフラとなっており、必要不可欠な存在となっている。そのため、機能面よりも安定性が重視される傾向が比較的強い。もしインフラに障害があれば、ビジネス全体の停止も余儀なくされるためだ。これが、コンシューマ市場と大きく違う点である。バッファローでは、そうした観点から法人向け製品ラインアップを企画・開発することでハードウェアの高品質を実現した現在の形を完成させた。「当社の製品は、エッジスイッチやフロアスイッチなどで使われることを想定したラインアップになっています。今回、L3スイッチである“BS-G3024MR”が追加されたことで、今まで以上にお客様への提案の幅が広がります」(富山リーダー)。

 加えて同社は、購買ルート・チャネルが多岐にわたっており、業種業態を問わず導入できるという強みを持つ。法人向けのブランド認知も着実に進んでおり、販売店にとって売りやすい環境も整っている。

 「法人向けスイッチ部門は、対前年比160%という大幅な伸長を遂げています。これは、当社でも特出して伸びている分野です」と、富山リーダーは法人向け事業の勢いを語る。

 また、法人ニーズに応えるべくサポート・サービス体制の強化にも注力する。実際に、これまでサポートセンターはコンシューマと法人の窓口が同一だったが、今回、法人専用の窓口を新設する。また法人の年度末需要期を迎えるにあたり、12月1日から有償のデリバリ保守サービスを無料とする「デリバリ保守サービス無償提供キャンペーン」を期間限定で行っている。

 さらに、二次店、三次店への情報提供をすすめており、その成果も出始めているという。無料で登録できる販売店向けWEB会員サポート「パートナーWeb」では、情報提供、情報交換をはじめ、評価機の貸し出しや問い合わせなども一括して行える。

 大きく進展する法人向け事業を、一段と加速させるバッファロー。今後の展開に期待がかかる。

バッファロー=http://buffalo.jp/

(週刊BCN 2007年12月17・24日号掲載)

関連記事

<ネットワークソリューション特集> エンタープライズは横ばいの状況が続くが 中堅・中小企業向けのネットワーク市場が急速に拡大 後編