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<大塚商会特集> 大塚裕司社長に聞く今年の基本戦略 お客様とともに飛躍する 前編

2008/02/04 19:56

週刊BCN 2008年02月04日vol.1221掲載

おしごと2.0 Anywhere!
いつでも、どこでも、快適おしごと環境を提案

 2008年2月に東京・品川などで開催する「実践ソリューションフェア2008」では、「おしごと2.0 Anywhere!」をメインテーマに掲げた。ビジネスにおけるモバイル利用や最新オフィスセキュリティのほか、内部統制支援や文書管理、ERP(統合基幹業務システム)などを加えオフィス環境で「いつでも、どこでも、快適おしごと」ができるソリューションを提案する。同社が提唱しているコンセプト「おしごと2.0」は、さらにグレードアップが図られる。

■バーチャルオフィスが進化へ

 大塚商会が、年間のテーマコンセプトとして「VirtualOffice(バーチャルオフィス)~信頼をITでつなぐ~」を打ち出したのは、06年2月だった。

 バーチャルオフィスとは、ITでビジネスプロセスをネットワーク化し、オフィスの入退室からパソコン起動、調達・購買業務、銀行振込業務、データ共有などを、社員個々のパソコン上で実現するコンセプト。業務の効率化を図ることに加え、セキュアな管理環境を実現することを狙いとしている。

 06年2月に開催した「実践ソリューションフェア」では、「複合機ソリューション」「文書管理ソリューション」「セキュリティソリューション」などを、ネットワーク環境でつなぐデモンストレーションを披露。「連携するとこんな活用ができます」と訴えた。

 ただ、この時は「システムの目線からの提案という要素が強かった」との反省があり、同年秋に若干コンセプトを見直して「快適!! ITがつなぐビジネスプロセス」と、業務プロセス連携の視点を取り入れている。そして、翌07年は「おしごと2.0」を打ち出した。

 ソリューション連携を進めていくと、業務プロセスが重複したり、プロセス上の不足機能が見えてくる。「内部統制対応を視野に入れつつ、ITを活用した業務プロセスの見直しを進めれば、さらに業務を効率化できる」と、訴求することにしたのが、この「おしごと2.0」の発想である。サブテーマとして「ITでビジネスをバージョンアップ」とした。企業内で業務プロセスを見直すごとに「このプリンタは不要じゃないの」などという改善点がみえてくる。IT機器販売でも、大きな収益を上げている大塚商会のビジネスではあるが、「お客様目線」からシステム全体を考えていることになる。

■WiMAXで通信環境変化を先取り

 そして、今回のメインテーマ「おしごと2.0 Anywhere! いつでも、どこでも、快適おしごと」では、通信環境の変化を見据えたコンセプトにしてある。WiMAXは、広帯域化により無線通信環境は劇的に変わる。モバイル端末も進化を遂げ、ビジネス環境にマッチした環境が整う可能性がある。どこにいても、突発的に発生した業務や通常業務を、その場で処理できるようになるということである。

 「Anywhere」には、そうした思いを込めつつ、さらに次のようなビジョンも意図しているという。

 「どこでも仕事ができるとなれば、何もオフィスに来る必要はないという認識が高まるかもしれない。自宅で仕事をするという雇用形態が広がり、通勤する人間が減れば、エネルギー削減に役立つことになるだろう。いま問題になっている地球温暖化の歯止め役も果たすかも知れない」と。「Anywhere」にはそんな思いまで込めた。壮大で夢のある構想である。

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