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<セキュリティソリューション特集>内部統制は、もはや大企業だけの課題ではない(上)

2008/04/28 19:56

週刊BCN 2008年04月28日vol.1233掲載

クオリティ
情報セキュリティとグリーンITは密接な関係
「QAW/QND Plus」の統制力を活用し新たな課題への対策を提案

IT統制を実現する「QAW/QND Plus」

 PCセキュリティを向上させるため、これまで情報システム部門や担当者は並々ならぬ努力を続けてきた。たとえば、管理しにくいクライアントPCの統制活動には、IT資産管理ツールのような基盤となるソフトウェアを活用し、継続的なセキュリティ統制を行うといったことなどである。

 セキュリティソリューションのなかには、クライアントPCのセキュリティパッチのように、ユーザ側がアップデートを適切に行えばセキュリティリスクを低減させられるものもある。しかしここをユーザ任せにし、正しくアップデートされていないクライアントPCが1台でも残っていれば、情報流出事故やウイルス感染などのセキュリティインシデントを引き起こしかねない。管理者が啓発活動をするだけでは、こうした事故は防げないのだ。クオリティのIT資産管理ツール「QAW/QND Plus」は、システム管理者のそういった課題への対策に注力し、対策ソリューションを提供し続けている。

統制力がものをいうグリーンIT

 セキュリティ統制と切っても切れないのが、「グリーンIT」である。政府が公開している2007年度の中間報告などによると、産業部門では90年を基準としてCO2の排出量が6%弱減少しているにもかかわらず、オフィスや家庭からの排出は30%から40%の増加に転じているという。IT化社会の発展とともにクライアントPCが増加していることが、こういった状況を引き起こす一因となっている。「グリーンIT」は、IT業界の環境対策活動として知られ、社会貢献活動として訴求されていることが多い。現在、市場で認識されている「グリーンIT」の多くは、サーバやデータセンターなどのソリューションが多い。これらはクライアントPCなどと違い、物理的な設置場所が固定され、情報システム管理者の厳格な管理下に置かれ、いわゆる統制しやすい環境にある。そこで利用者や利用形態がさまざまで強制力を発揮しにくいクライアントPCも含めた環境対策を行えば、その効果を向上させることにつながる。

 企業には、数多くのクライアントPCが導入されている。これらのクライアントPCに対して「QAW/QND Plus」の統制力を持って環境対策を施すことで、全社的な環境対策活動を行うことが可能になる。企業にとってリスクのある「セキュリティ」という分野で、「QAW/QND Plus」などを用いた統制基盤を確立する必要があることが明確になりつつある。直接的な企業リスクが小さい「グリーンIT」に対し、セキュリティ以上の啓発活動の効果があるとは考えにくい。統制基盤を「グリーンIT」に活用するという提案は、ユーザ企業にとってもメリットのある提案といえる。

 クオリティでは、08年1月に「QAW/QND Plusで行なうIT資産CO2削減・グリーンITソリューション」を公開した。これは、Windows OSの電源オプションを利用し、「所定の時間を経過すると省電力モード(システムスタンバイ)へ移行する設定」へ一括変更することでPC非使用時の待機電力を削減できるというもの。クオリティ社内の実測値からの推計によると、1000台のPC環境において、設定変更後に月間消費電力を50%ほど削減できるということだ。同ソリューションを公開してから数か月しか経過していないが、すでに数十社が同ソリューションを利用、または利用を検討している。

 「QAW/QND Plus」は08年4月現在、約3000社、300万クライアントに導入されている。「QAW/QND Plus」ユーザのすべてが同ソリューションを導入するだけでも、東京ドーム1000個分の面積の森林に匹敵するCO2排出量の削減ができる。さらに今夏には、「グリーンIT」を推進するさらなるソリューションの投入も予定されている。情報セキュリティと「グリーンIT」を両輪に提案する同社のソリューションは「第5回情報セキュリティEXPO」でも展示される予定だ。


クオリティ=http://www.quality.co.jp/

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