Special Issue

<クラウド・ホスティングサービス事業者座談会>急成長するクラウド 市場開拓の最前線

2011/06/02 19:56

週刊BCN 2011年05月30日vol.1384掲載

明確な狙い、強み生かす

GMOクラウド
代表取締役社長
青山満 氏
ビットアイル
マーケティング本部
事業推進部部長
高倉敏行 氏
 青山 私どもGMOクラウドのクラウドサービスは大きく分けて、パブリッククラウド型の「GMOクラウド Public」とプライベートクラウド型の「IQcloud」の二本柱から構成されています。海外では97年から北米でホスティング事業を手がけており、今は世界展開しているグループ会社のGMOグローバルサインと連携しつつ、クラウドサービスのグローバル進出を加速させます。ユーザー企業は、世界のどの拠点からも当社のクラウドサービスを利用していただけるようにすることで利便性や規模のメリットを生かしていく方針です。

 高倉 ビットアイルの強みの1つは、DCそのものを自社で建設・構築・運用しているため、提供サービスの柔軟性と自由度が高いことです。「サーバオンデマンドNEXT」には、VMwareベースのプライベートクラウド環境を提供するメニューがあり、コロケーションやVPNなどとの連携を図るハイブリッド環境が容易に構築できます。運用支援、機器レンタルなどアウトソーシングできる範囲も多様です。お客様ビジネスの成長ステージやシステムの特性・ライフサイクルに合わせて、インフラの構成だけでなく、所有・利用、固定費モデル・変動費モデルなどといった、ITの持ち方・活用の仕方を選択・組み合わせができる自由度の高さも当社の強みです。

 岡田 先ほど当社日本ラッドの「インダストリア」を支える超低消費電力DCについてお話しましたが、ストレージサービス領域においても、当社独自の技術革新を行いました。高価なストレージ専用機を使うのではなく、汎用サーバーにストレージを分散処理させることで、パフォーマンスを高める技術です。IT機材は、DCに必要な機能に絞り込んだ設計にするなど、電力消費の低減と並んで機材の調達コストも下げています。むしろ、これくらいしないと海外大手クラウドベンダーという“黒船”に対抗できない。部材調達費用の削減に関しては、ここにいるみなさんと共同購入することで、規模のメリットによる削減を提唱したいくらいです。

キーワードで示す事業戦略

 ──どんな方々に販売してもらう体制を整えておられるのでしょうか。クラウド/ホスティングサービスのキーワードも併せて紹介してください。

日本ラッド 執行役員
ネットワークコンピューティング
事業本部長
岡田良介 氏
 岡田 「インダストリア」を世に出してからは、自前のパッケージソフトをもつSIerやソフト開発ベンダー(ISV)のおよそ30社の方々と、共同マーケティングや共同提案を始めています。「中堅・中小顧客に向けたコスト&パフォーマンス」をキーワードとして、パートナーとともにビジネスを伸ばします。

 高倉 多くのSIerやISVの方々に、ビットアイルのサービスの柔軟性と自由度の高さを活用していただきたい。キーワードは、ビジネス変化やシステム特性に合わせた「選択肢と組み合わせ」。事業のサービス化を進めるパートナー様の成功とともに成長することを志しています。

 青山 キーワードは「クラウドのためのクラウドプラットフォーム」です。ホスティングサービスの販売で約6,000社を培ったビジネスパートナーに加え、アプリケーションをクラウド型で展開されたいソリューションパートナーも集まり、お客様の持続的でグローバルなビジネス展開を統合的に支える「場」としてのサービス開発を続けてまいります。

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外部リンク

インターネットイニシアティブ(IIJ)=http://www.iij.ad.jp/

NTTコミュニケーションズ=http://www.ntt.com/bizhosting-basic/

NTTPCコミュニケーションズ=http://www.nttpc.co.jp/

GMOクラウド=http://www.gmocloud.com/

ビットアイル=http://www.bit-isle.jp/