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トレンドマイクロ 学校向けウイルス対策を強化 対策の盲点は「USBメモリ」にあり

2012/09/13 19:55

週刊BCN 2012年09月10日vol.1447掲載

 今や文教分野でもウイルス対策は常識となっている。だが、安心はできない。最近はインターネットやメールを介したウイルス感染ではなく、外部から持ち込まれたUSBメモリなどを介して感染するケースが増加しているからだ。そのためオフライン環境にあるPCも決して安全ではなく、場合によっては2次感染の温床になりかねない。とくに、小・中・高等学校は企業と比較してその傾向が強い状況にある。学校は適切なソリューションを強く求めていることから、SIerにとってはビジネスチャンスとなる。

外部記憶メディアが感染源のトップ

 全国の自治体(教育委員会)管轄の小・中・高等学校では、セキュリティ被害を防止するため教育委員会が支給するPCには、必ずウイルス対策などのセキュリティソフトが導入されている。しかし、文教分野での情報漏えいやウイルス感染の事例は、今も後を絶たない。

松橋孝志 課長代理
 その大きな原因の一つが外部から持ち込まれたUSBメモリなどを介して感染するケースだ。学内PCにはウイルス対策が施されていても、教職員が個人所有するPCの対策はまちまちで、ウイルス対策を導入していても更新やアップデートをしていないことが少なくない。そうした環境で、教職員が学校のPCで作業したファイルをUSBメモリで持ち帰り、自宅のPCで作業して、それを再び学校に持ち込むことによって感染してしまうわけだ。

 トレンドマイクロのマーケットディベロップメント課 担当課長代理・松橋孝志氏は、「実態として、96%の教職員が日常的にUSBメモリを使用し、そのうちの77%は学校公認ではなく個人のものを使用しています。こうした環境は必然的に感染の可能性を高めます。実際、従来のウイルス感染源はインターネットやメールと考えがちでしたが、最近のある調査では、USBメモリなどの外部記憶メディアがトップでした。そのため、こうした課題への適切なソリューションを求める声が現場からも上がっています」と強調する。


あらゆる感染の可能性を排除する豊富なソリューション

 USBメモリを介した感染の脅威に対し、トレンドマイクロでは小・中・高等学校でトップシェアをもつ教育機関向けウイルス対策製品「ウイルスバスター コーポレートエディション エデュケーションパック」(Ver.10.6以上)にTrend Micro情報漏えい対策オプションを用意する。このオプションは、未登録USBメモリの接続を制限することで情報の持ち出しやウイルス感染を防止する「デバイスコントロール機能」と、あらかじめ定義された“個人情報テンプレート”により個人情報の流出を監視/ブロックする「情報漏えい防止機能」を搭載している。

瀬戸弘和 部長代行
 「Trend Micro USB Security(TMUSB)」は、ウイルス対策を組み込んだUSBメモリ製品で、主なUSBストレージ・ベンダーから提供される。USBメモリ内へのウイルス混入や感染を防止し、ウイルス検出・駆除を実現する。グローバルマーケティング統括本部 事業開発部 担当部長代行・瀬戸弘和氏は、「ウイルス対策に対応したUSBメモリなら、気がつかずにウイルスに感染する/周りの人のPCを感染させてしまうといった被害を回避でき、安心・安全なUSBメモリとして使用できます」と説明する。

 また、USBメモリを介した感染は、これまで安全と考えられていたオフラインPCへの感染の脅威も拡大させている。オフラインPCは、インターネットに接続していないことから適切なウイルス対策が施されていないことが少なくない。したがって、ウイルス感染した場合の被害は深刻で、USBメモリを通じた2次感染の温床になり、他のコンピュータに対する隠れた脅威となり続ける。

 これらの脅威を対象とする対策ツールが「Trend Micro Portable Security(TMPS)」だ。TMPSはUSBメモリ型のツールで、メモリ内に検索プログラムを内蔵しているため、端末にソフトウェアをインストールすることなくウイルスの検索・駆除が行える。

釜池聡太 課長代理
 グローバルマーケティング統括本部 事業開発部 マーケティングマネジメント課 担当課長代理・釜池聡太氏は、「新たにウイルス対策ソフトをインストールできない端末やインターネットに接続できない端末に対して、最新のパターンファイルによるウイルスの検索・駆除を実現します。また、検索結果のログを利用したウイルスチェック管理も可能です」と、その機能を紹介する。釜池氏は、「当社は、情報セキュリティのリーディングカンパニーとして、USBデバイスなどを介した脅威にもいち早く取り組み、業界に先駆けて対策製品を投入してきました。ぜひともSIer、販売店の方々には、文教分野に向けた提案やセキュリティソリューションの拡充に当社製品を役立ててほしいと思います」とアピールしている。


(写真/津島隆雄)
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トレンドマイクロ=http://jp.trendmicro.com/jp/