東芝ソリューションは、ストレージ製品を刷新した。販売方式もこれまでの直販とともにビジネスパートナーを通じた間接販売にも注力していく。今回、東芝ソリューションが新しく打ち出したストレージ製品群は「Toshiba Total Storage Platform」で、大容量・低価格のストレージと、超高速NANDフラッシュを使ったフラッシュアレイストレージを一つのアーキテクチャで統合的に運用できるのが最大の特徴だ。異なる種類のストレージを制御する独自のコントローラーを2年余りかけて開発した。

Toshiba Total Storage Platformパートナー協業モデルを全面的に採用

ストレージ&プロダクト事業部
事業部長
生藤 芳一 氏 東芝グループは、ストレージ製品の中核部品であるHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(半導体ドライブ)、NANDフラッシュメモリといった記憶デバイスを自社で一貫して生産している。これまで東芝ソリューションはストレージ製品をシステム構築(SI)事業の付加価値として、主に直販で販売してきたこともあって、一般のSIerに広く浸透しているとは言い難かった。
だが、今年5月、東芝ソリューションは「Toshiba Total Storage Platform」としてストレージ製品群を大幅刷新したタイミングで、「ビジネスパートナーとも広く協業してシェア拡大を目指す」(生藤芳一氏)という方針を打ち出した。
ストレージ製品刷新に先立つ2012年8月、東芝ソリューションはフラッシュアレイストレージ技術でリードする米ヴァイオリン・メモリー社と業務提携して、東芝製NANDフラッシュメモリを使ったフラッシュアレイを製品化。最も一般的な高負荷環境であるリレーショナル・データベースでのトランザクション処理速度で、記憶デバイスにHDDを使った場合に比べて約28.8倍、SSDを使った場合に比べても約4.4倍の高速化を達成している。
今回の新製品群では、NANDフラッシュメモリ活用の超高速フラッシュアレイや、大容量・低価格のストレージに適したHDD、SSDを活用した製品など、一通りのラインアップを揃えた。
一つのアーキテクチャで運用が可能に

ストレージ&プロダクト事業部
技術部 部長
花井 克之 氏 最大の特徴はフラッシュアレイやSSD、HDDと異なる特性の記憶デバイスを搭載したストレージを「一つのアーキテクチャで統合的に制御する『ストレージ階層化コントローラー』を独自に開発した」(花井克之氏)という点にある。
例えば、システム内で稼働する仮想マシン(VM)の負荷が高まれば高速処理が可能なフラッシュアレイへと移動させ、逆に負荷が下がればコスト安のHDD領域へと自動的に移動させる。あるいは、クラウドサービスベンダーなどが顧客から預かったシステムの負荷状況に合わせてフラッシュやSSD、HDDを使い分けるハイブリッドな運用の自由度も格段に高まる。
現実にはフラッシュアレイはまだ高価であって、どうしてもHDDやSSDなどとの併用が欠かせない。一つのアーキテクチャで統合運用できる仕組みを開発したことで、コスト競争力はトータルでみて大幅に高まっている。
現在はNANDフラッシュがストレージの処理速度を向上させる中心的役割を担っているが、今後はより速いタイプのフラッシュメモリの開発も見込まれる。従来のフラッシュメモリも量産効果で価格が下がる見通しで、東芝グループの強みは、これら主要な記憶デバイスを自社製造しており、統合されたアーキテクチャのもとで拡張し続けていけることにある。
東芝グループではエネルギー事業と横並びの重点領域としてストレージ事業を位置づけており、記憶デバイスから統合制御に至るまで総合的に開発していくことでシェア拡大を目指す。
■「Toshiba Total Storage Platform」についてのお問い合わせ
東芝ソリューション株式会社 ストレージ&プロダクト事業部 営業部
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