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<ストレージ管理ソリューション特集>日立製作所 パフォーマンスデータの適切な把握を支援 ビッグデータ時代のストレージ管理を効率化

2013/09/05 19:55

週刊BCN 2013年09月02日vol.1495掲載

 拡大を続ける仮想化環境、増え続けるビジネスデータ――。企業の情報システム担当者は、複雑・肥大化したITインフラを管理・安定運用するために、従来よりも高いスキルと膨大な時間を要するようになってきた。そんな課題を解決する手法として、ストレージの管理と安定稼働を支援するソフトウェア「Hitachi Command Suite 7」が注目を集めている。ストレージ管理の課題とそれを解決するITソリューションについて、日立製作所 ITプラットフォーム事業本部 ITマネジメントソリューション開発部の青木誠 主任技師に聞いた。

急増する一方の企業内データ
ストレージの効率管理が重要に

情報・通信システム社
ITプラットフォーム事業本部
開発統括本部 ソフトウェア本部
ITマネジメント
ソリューション開発部
主任技師 青木 誠 氏
 近年、市場ではビッグデータの活用による新規ビジネス創出の流れが出てきている。また日本経済も回復傾向にあることから、ビジネスが急速に拡大していくことが期待できる。

 このような状況のなか、ビジネスを支えるITインフラに注目すると、ビジネス拡大に応じて増加する仮想化環境や急増するビジネスデータに対応する必要があり、ITインフラは増大および複雑化していく一方である。

 しかし、データが増えてシステムが複雑化したとしても、情報システム部門のスタッフが増員されることは考えにくい。ユーザー企業にとっては、肥大化したストレージシステムを、限られた人員で効率よく管理する手法とシステムを確立することが、これまで以上に重要になる。

 このようなストレージシステムの管理業務に悩むユーザー企業に対して、日立製作所(以下、日立)は、「Hitachi Command Suite 7」を提案している。「少ないハードリソースで多くの業務をこなすには、企業が保有しているリソースをフル活用する必要がある。ここで重要なのは、業務量とITインフラの許容量のバランスだ。業務の拡大に応じて増え続けるデータ量とアクセス量に対して、ストレージの許容量は十分であるかを判断するパフォーマンスデータに注目する必要がある」と、ITプラットフォーム事業本部 ITマネジメントソリューション開発部の青木誠主任技師は指摘する。

日立の運用ノウハウを活用した
わかりやすいヘルスチェックレポート

 少ないハードリソースを効率的に活用するために仮想化技術が活用されており、仮想化環境は今後も拡張されていく。ここでシステム運用者の関心が集まるのが、仮想化環境内のストレージ性能である。これに対して、今まで多くの企業ではサーバー中心に管理をしているため、ストレージの知識はあまり持ち合わせていない状況であった。

 ここで活用できるのが、「Hitachi Command Suite 7」の性能ヘルスチェックである。ストレージの現在のパフォーマンスデータを取得し、日立の運用ノウハウをベースにした基準値と比較することで、ストレージの性能上の健全性を確認できるようにした。この結果を「正常」「警告」などと日本語で表示し、異常時には、具体的に基準値を超えている問題箇所を表示する。これによって、迅速にサーバーとストレージの原因を切り分け、さらにストレージ内の原因も特定できるため、すぐにその対策を講じることができる。

 「ストレージの性能障害を経験したお客様は、『Hitachi Command Suite 7』を導入し、定期監視することで、障害を未然に防ぐことができた。そのほか、『日々の性能管理作業を自動化できた』『性能情報を長期保存して障害の原因分析に役立てている』という声もある」(青木氏)。


キャパシティプランニングにも貢献
無駄のない投資で有効なシステム構築

 お客様にサービスを提供しているシステムでは、さらに万全な対策が必要だ。青木氏は、「ビジネスの拡大につれて増加するビジネスデータを、決められた応答性能を維持しつつ処理するためには、ハードリソースの増強が必要。企業としてはコストを抑制しつつ効果的に増強したいところだが、ここでもキーとなるのがパフォーマンスデータだ」と提唱している。

 日立のストレージでは、異なる性能の異なるディスクを一つのプールに格納し、I/Oのアクセス状況に応じて自動的に適切なディスクに格納するボリューム階層の仮想化技術を搭載している。

 これを活用することで、I/O負荷が高いシステムに対して少量のフラッシュモジュールを使ったボリュームを、動的に追加することで対処できる。

 「それではフラッシュモジュールのボリュームをいつ追加するのか? これを計画するために活用するのが、パフォーマンスデータだ。性能の長期トレンドを把握し、増強時期や量を明確にすることで、コストを抑制しつつ増え続けるデータ量に対応することができる」と、青木氏は説明する。

 企業システムを効率よく管理・運用するためには、パフォーマンスデータの可視化が欠かせない。この分野において、日立のノウハウを活用できる「Hitachi Command Suite 7」の競争力は格段に強い。管理・運用に課題を抱えるユーザー企業に対して、「Hitachi Command Suite 7」を提案する価値は十分にある。
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外部リンク

日立製作所=http://www.hitachi.co.jp/