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アイ・オー・データ機器 HDDデータ復旧の無償提供へ オンサイト保守に「データ復旧サービス特約」を追加

2014/11/20 19:55

週刊BCN 2014年11月17日vol.1555掲載

 NAS「LAN DISK」の提供で、SMB(中堅・中小企業)を中心として堅調に法人需要を獲得しているアイ・オー・データ機器。ハードウェアに加えて、ソフトウェアとサービスという「3つの安心」の提供によって、ユーザー企業から信頼を得ている。10月22日、そのアイ・オー・データ機器が、HDDのデータ復旧を同社負担で行う新しいサービス「データ復旧サービス特約」の提供を開始した。ユーザー企業がより安心してNASを使うことができるようになり、販売パートナーはLAN DISKをさらに手離れよく販売することが可能になる。

最大100万円までメーカー負担で提供

磯野英司
CS部ソリューションサービス課
課長

 データ復旧サービス特約の対象は、アイ・オー・データ機器の有償保守サービス「アイオー・セーフティ・サービス(ISS)」のオンサイト保守に加入しているユーザー企業。対象モデルのLAN DISKのHDDが故障した際、データ復旧作業を最大100万円まで同社負担で行うというのが一番の売りだ。ユーザー企業は、ファイルシステムが破損してデータを読み取ることができない論理障害の場合は3回、HDD内の格納部分が壊れる物理障害の場合は1回、データ復旧サービスを受けることができる※。

 ISSは、これまで「オンサイト保守」や「デリバリィ保守」をはじめ、「初回設置サービス」「データ消去サービス」「ドキュメント引越しサービス」「NASリプレイスサービス」「ソフトウェア保守」などのサービスを展開。そのオンサイト保守メニューに、「データ復旧サービス特約」を追加した。磯野英司・CS部ソリューションサービス課課長は、「オンサイト保守サービスに価値を付加しようと考えて、企業の多くが不安に思っていることを払しょくする必要があると判断した」という。

 NASを導入している企業が最も恐れているのが、ハードウェアのトラブルによってデータが消えてしまうこと。この不安は、企業規模の大小を問わない。ハードウェアの故障でデータにアクセスできないと、ビジネス機会の損失につながる可能性が高いからだ。

 万が一のとき、ユーザー企業はメーカーや販売したSIer・リセラーなどにデータ復旧を依頼するが、一般的にデータ復旧は通常の保守サービスと別になっており、ユーザー企業は仕方なくデータ復旧料金を支払う。しかし、導入していたハードウェアとサービスに不満を抱くようになり、そのベンダーは信頼を失う危険性がある。磯野課長は、「ユーザー企業が少しでも安心できるよう、データ復旧サービス特約としてサービス化することになった」としている。

「3つの安心」をさらに高める

 もちろん、ハードウェアの障害によって、アイ・オー・データ機器のユーザー企業からの信頼に傷がつかなかったわけではない。ただ、アイ・オー・データ機器の「LAN DISK Z シリーズ」などは、高い信頼性をもつウェスタン・デジタル(WD)製のNAS専用HDD「WD Red」を採用し、動作温度として0~40℃を保証。また、独自に開発したNASの状態をクラウド上で管理するソフトウェア「NarSuS」によって、アイ・オー・データ機器がユーザー企業に代わってNASを見守り、トラブル発生時だけでなく、NASの最新状態を定期的にメールで自動通知して信頼を高めている。「これまでLAN DISKの『3つの安心』を提供してきて、そうした問い合わせが極端に減ってきた」と磯野課長は胸を張る。データ復旧サービス特約の提供は、NarSusへの登録も条件としている。「3つの安心の一つであるサービスをさらに強化していくため」という。


 他社のNASを販売しているSIerなどのなかには、ハードウェアの障害によってユーザー企業からクレームが入り、円満に対処するためにデータ復旧の作業を無料で行ったケースもある。SIerの収益を圧迫することになるが、「当社のNASに加え、バックアップHDDとISSオンサイトサービス、UPS装置をセットで販売すれば、利益が下がることはない」と磯野課長は断言する。ユーザー企業の信頼を高め、販売パートナーが売りやすい環境を整えたデータ復旧サービス特約によって、アイ・オー・データ機器は、「NAS市場の伸び以上に成長する」(磯野課長)と意気込んでいる。
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アイ・オー・データ機器 代表取締役社長 細野昭雄

外部リンク

アイ・オー・データ機器=http://www.iodata.jp/