“2-in-1”と呼ばれる新たな市場を生み出した「Surface」シリーズだが、薄さや軽さ、デザイン性の高さもさることながら、高性能のデバイス仕様になっていることを評価して、標準機に指定する企業が増えている。オフィスの外でもデスクトップPC同等の性能で使用できるSurfaceは、モダンワークプレースを実現するデバイスとして、「Microsoft 365」をはじめとする同社のクラウドソリューションに最適化されている。働き方改革を実現するためには何が必要なのか? マイクロソフトが考える働き方改革と、それを実現するための最新ソリューションを、本号を通じて紹介する。
 
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(写真左から)業務執行役員 パートナー事業本部 Surfaceビジネス本部 本部長 滝本啓介氏、
Surfaceビジネス本部 ビジネスデベロップメントマネージャー 辻本真幸氏、
Surfaceビジネス本部 シニアビジネスデベロップメントマネージャー 川喜田一広氏


マイクロソフトの英知を結集
クラウドに最適な理想的デバイス

 働き方改革という言葉が定着し、いつでもどこでも働ける環境の整備と、社員の高いモチベーションや高い生産性を導き出す働き方の実現に向けて、多くの企業が検討や実践を開始している。マイクロソフトでは、企業の働き方改革を安心・安全・効果的に実現するため、「モダンワークプレース統合ソリューション」として、「Microsoft 365」と最新のデバイス「Surface」を提供している。Microsoft 365は、「Office 365」と「Windows 10」、そしてデバイス管理とセキュリティの「Microsoft Enterprise Mobility+Security(EMS)」を組み合わせた最新のクラウドソリューション。これに最新のデバイスを組み合わせることで、働き方改革を強力に推進することが可能だ。
 
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 「Surfaceは、設計段階からWindowsやOfficeチームが携わりMicrosoft 365に最適化して開発した当社純正のデバイス。SurfaceならMicrosoft 365の価値を100%引き出すことができる」と語るのは、業務執行役員パートナー事業本部Surfaceビジネス本部本部長の滝本啓介氏。例えば、デバイスをクラウドから一括でキッティングできる「Windows Autopilot」はMicrosoft 365の特筆すべき機能だが、Surfaceは他社に先駆けいち早く対応可能となっている。また、「Skype for Business」や「Microsoft Teams」を使用することを前提に設計された高精度のスピーカーとマイクを搭載しているため、複数人が参加する会議においても、はっきりとした音声でのコミュニケーションが可能だ。

 初代「Microsoft Surface Pro」の販売が国内で始まってから、まもなく5年。2-in-1形態のSurfaceは、日本のビジネス界においても見慣れたデバイスとなった。15年にはキーボードを備えた「Surface Book」、17年にはノート型の「Surface Laptop」と、タッチ可能な28インチ液晶ディスプレイ一体型の「Surface Studio」、直近では通信機能を搭載した「Surface Pro LTE Advanced」が登場。働き方の多様なニーズに合わせて着々とラインアップを強化している。

 売れ行きも順調だ。「Microsoft 365やOffice 365などのクラウドサービスを利用してビジネスの生産性を高めたり、働き方を改革したりするには、Surfaceが最適という理解が日本の企業にも浸透した。本年度(18年6月期)は、おかげで前年度の倍に近い勢いで伸びている」と滝本氏はいう。

 幅広い業種や職種(業務)で活用できることも、Surfaceならではの強みだ。「特定の業種に強いということはないが、実際には、製造、金融、教育などの分野で数多く使われている」と滝本氏。Surfaceビジネス本部ビジネスデベロップメントマネージャーの辻本真幸氏は、「文教市場では、デジタル教科書を読んだり、電子ノート『OneNote』を使って手書き入力でノートをとったりするためのデバイスとして、Surfaceが注目されている」と語る。タッチパネル装備のため、手に持ったまま同シリーズのSurfaceペンで文字・記号・図形を本物のペンにかなり近い感覚で手書きすることができ、大学ノートやクリップボードと同じように使えることが、教育現場で歓迎されている理由の一つだ。
 
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高い性能と通信機能で早くも人気
Surface Pro LTE Advanced

 職種別にみると、客先に赴くことが多い営業職での利用が最も多い。オフィス外での働き方についても高い生産性が求められている今は、単にPCを外に持ち出せるというだけでは不十分。オフィスのデスクで作業するのと同レベルの能力が求められている。

 実際、法人向けSurfaceの売れ筋は「プロセッサが第7世代のIntel Core i5、メモリが8GB、ストレージが256GB」(辻本氏)というハイスペックのもの。最新のSurfaceに内蔵されているストレージは、PCI Express直結のNVMe仕様なのでハイバネーションやスリープの状態からも瞬時に復帰でき、「5分の隙間時間で仕事をすることも可能」だと辻本氏は説明する。

 そうしたハイスペック指向と並行して、Surfaceを「標準機」の一つに位置づける動きも盛んだ。標準機とは、企業による全社規模もしくは部門で利用するPCとして、Surfaceを指定するというもの。十分な処理能力をもち、多様な周辺機器を利用することができ、最新Windowsの全機能を使用できるSurfaceなら、従来のデスクトップPCや大型ノートPCと同等の使い方が可能。オフィスでも外出先でも、同じSurfaceを使ってもらう運用形態にすれば、デスクトップPC+ノートPCの“2台持ち”よりも費用が圧縮でき、機種選定から発注までの事務作業も大幅に削減できる。

 さらにSurface Pro LTE Advancedの登場によって、Surfaceはまさに「いつでも・どこでも」使えるデバイスへと進化した。LTEサービスを提供している通信事業者の通信カード(SIMカード)を装着することで、公衆無線LANを使用することなく、Surfaceをインターネットに接続できる。SIMフリーデバイスであり、主要な通信事業者のSIMカードは検証済み。業務ニーズに合った通信サービスを選べることは大きな魅力だ。

 「多くの企業の年度末となるこの3月期では、Surface Pro LTE Advancedは当社の想像をはるかに超えた台数を販売できた。昨年12月に発売して間もない製品でありながら、通信事業者やパートナーとの強い協業体制と製品性能によって快適なLTEモバイル環境を提供しており、お客様に大変好評なこともあって、自信をもってお勧めできる」(辻本氏)。

 外出先での使用にはセキュリティ面を万全にする必要があるが、Microsoft Enterprise Mobility+Security(EMS)や「Microsoft Intune」(またはそれらを含むMicrosoft 365)と組み合わせて運用すれば、24時間365日のデバイス管理をリモートで実施できる。「当社が提唱するモダンワークプレースを実現するには、Surface、とくにSurface Pro LTE AdvancedとMicrosoft 365を組み合わせるのが一番の近道」と辻本氏。Surface Pro LTE Advancedは、発売数か月で多くの大規模導入、多数企業の導入につながっているという。

サービスとして提供する
Surface as a Service

 このような特徴をもつSurfaceは、IT課題をかかえている企業にとって、頼もしい即戦力だ。

 例えば、「『Windows 7』のサポート終了(EOS)」への対応。Surfaceビジネス本部シニアビジネスデベロップメントマネージャーの川喜田一広氏は、「Windows 7からWindows 10への移行に合わせてPCやデバイスの買い替えを検討している企業は多い。買い替えにあたって、Office 365やMicrosoft 365などのクラウドサービスを利用して働き方改革を目指すなら、Surfaceがぴったりだ」と説明する。

 また、業務の目的に即した標準機として、各種アプリケーションとSurfaceをセットにしたソリューションを提供しているパートナー企業も多い。「高性能プロセッサを搭載したSurfaceは、活用シーンを選ばない。パートナー企業が得意とするアプリケーションと組み合わせて提供しやすいとの声をいただいている」と川喜田氏は話す。

 さらに、クラウド化の進展にともなって、ITの諸費用を一つにまとめて月額で支払いたいというニーズも高まっている。デバイスのオフバランス化(資産の経費化)だけならリースやレンタルでも可能だが、クラウドの利用料金と別々に支払手続きをするのは手間がかかる――。そうした企業が求めているのは、デバイス、ソフトウェア、サービスのすべての費用が載った1本の請求書だ。

 支払いに関するこのようなニーズに応えようと、Surfaceの代金をクラウドサービスの料金と合わせて月額で請求する“Surface as a Service”方式を取り入れるパートナー企業も増えている。利用企業にとっては、オフバランス化と事務効率化をともに実現できることが大きな魅力。提供するパートナー企業にとっても、「Cloud Solution Provider(CSP)」の資格を取得していれば、自社の独自サービスをOffice 365やMicrosoft 365と組み合わせて売り込めるという利点がある。

パートナー企業との協業で
ユーザーのニーズに応える

 Surfaceのもう一つの特徴は、エンドユーザーが求めているものを理解し、それに応えるソリューションをつくり出すコラボレーションの枠組みを完備していることが挙げられる。

 「どのような課題で、どのようなお客様がSurfaceを購入し、どのように使っているのか――。当社は、そうした“生の情報”を精緻に収集し、真摯に向き合っている」(滝本氏)。

 こうして得られたナレッジを製品やサービスに反映したり、独自商材と組み合わせたソリューションをマイクロソフトパートナー企業に開発してもらうことによって、マイクロソフトはパートナー企業とのエコシステムを強固にし、エンドユーザーのモダンワークプレースの実現、そして働き方改革を支援している。

 この枠組みで重要な役割を果たすのが、「マイクロソフト認定Surfaceリセラー(ADR)」だ。現在、国内で活動しているADRはウチダスペクトラム、MXモバイリング、大塚商会、キヤノンマーケティングジャパン、ソフトバンク、日本ビジネスシステムズ、日立システムズ、富士ソフト、リコージャパンの9社。「それぞれに得意とする企業規模、業種・業務、ソリューションがあるので、お客様は自社のニーズに合ったパートナー(リセラー)を選んでいただくことができる」と辻本氏は説明する。本紙では、ADR各社の働き方改革を支援するソリューションを紹介する。

 また、パートナーとのエコシステムで見逃せないのが「Device Value Added Reseller(D-VAR)」と呼ばれるパートナー。「法人向け販売を主としている販売店やSIerであれば、『Microsoft Partner Network(MPN)』に加入してMPN IDを取得し、D-VAR参加同意書にオンラインでサインアップするだけで申し込みができる」と川喜田氏。Surfaceの仕入れは、マイクロソフト認定ディストリビュータとADRのどちらからも可能だ。約3000社あるD-VARによって、日本全国の広域な範囲のエンドユーザーをカバーしている。今後もエンドユーザーの要望やパートナーの企業によって登録企業が増えていくと予想されるが、「独自のクラウドソリューションをもつ企業に、ぜひ新しいタイプのD-VARとして活動していただきたい」と、滝本氏は語る。

 滝本氏のいう“新しいタイプのD-VAR”とは、エンドユーザーと販売店の両面を備えたマイクロソフトパートナー企業のこと。クラウドがITの主要なプラットフォームになったことを受けて、自社で開発した業務システムをクラウド上のマイクロサービスやAPIのかたちで外販する企業が急速に増えている。そうした企業がD-VARとしてSurfaceベースのソリューションを提供すれば、ビジネスの現場により大きな価値を届けることができるはず――。その実現に向けて、日本マイクロソフトは“新しいタイプのD-VAR”のリクルーティングと、パートナーとのさらなる協業を進め、エンドユーザーの働き方改革の推進支援を図る。