サーバー、ストレージ、ハイパーバイザーをソフトウェアで統合管理するハイパーコンバージドインフラ(HCI)。その代表的なベンダーであるニュータニックスは、HCIのソフトウェア部分を単体で提供する「Software Choice」戦略を打ち出している。その上で、ディストリビューターのSB C&Sが薦めるのが、デルが提供するNutanix用サーバー製品「Dell EMC XC Family」のラインアップの一つである「Dell EMC XC Core」だ。その魅力を全3回で紹介する本連載の第1回では、HCI市場の動向やXC Coreの概要、販売パートナー向けの取り組みについて、デルとSB C&Sの担当者が語り合った。

(写真左から)
SB C&S ICT事業本部MD本部技術統括部第3技術部1課課長 森下政純氏
SB C&S ICT事業本部MD本部技術統括部第3技術部1課 萩原隆博氏
デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括パートナーセールスエンジニア 川奈部 真氏

オンプレミス仮想化基盤にはHCI。Nutanixならさまざまなハードで動く

萩原(SB C&S) 仮想化製品の提案や技術支援に携わる者としての実感ですが、この数年で、仮想化基盤の中心はHCI一色といってよいほどになりました。
 
SB C&S
萩原隆博氏

森下(SB C&S) 当社がHCIのビジネスを開始したのは2015年の末ごろで、当時はお客様の多くが「HCIって何?」という状態でした。そのためデル様と協力し、XC Familyの売り方をいろいろと検討し、企画を実施してきました。
 
SB C&S
森下政純氏

川奈部(デル) ニュータニックスはHCIにおける先駆者というイメージがようやく定着してきました。既存のシステム基盤をHCIでリプレースしようと考えているお客様の中には、実績面からニュータニックスをご指名で選ばれる方も多いようです。
 
デル
川奈部 真氏

萩原 HCIがここまで普及した要因として、パブリッククラウドに移行できないお客様の受け皿となれたことがとても大きかったと思います。運用管理の効率化を狙ってオンプレミスの仮想化環境をパブリッククラウドに統合しようとしても、コストやセキュリティーの関係で実現できないということもあります。そのような場合に、HCIがクラウドライクなオンプレミス基盤として使えるわけです。

森下 そうした世の中のニーズとうまくマッチした結果、当社のHCIビジネスは年率数百パーセントの成長を続けてきました。また、18年初めにニュータニックスが打ち出したSoftware Choiceというコンセプトも効いています。これによりNutanixソフトウェアのライセンス販売が始まり、お客様がハイパーバイザーだけでなく、サーバーも自由に選択できるようになりました。
 
Nutanix Software ChoiceのメリットとSB C&Sの取り組み

川奈部 Nutanixのソフトウェアだけを購入し、それを一般的なx86サーバーの上で動かすという使い方が浸透し始めてきましたね。そのための基盤として、長年の実績を持つ「PowerEdge」シリーズをベースにしたXC Familyがお客様に選ばれているのだと思います。XC FamilyはPowerEdgeをベースとしており、特殊なパーツなどを利用していないため、価格面でも優位性があります。また、保守サポートもPowerEdgeに準拠するため最長7年の保守を提供することができるなど、お客様から高く評価されています。

萩原 PowerEdgeをベースにしているXC Coreの優位性は納期にもはっきりと表れています。当社が現在お客様に提示している平均的な納期は3週間から4週間ですが、これが2カ月や3カ月になってしまうと商談が消滅してしまいかねません。また、HCIの部品ではSSDが特に品薄になりやすいのですが、XC Coreなら納期が安定していて安心できる。こういうところに、大手ハードウェアメーカーならではの強みが発揮されていると思います。

XC FamilyやNutanixのコアなコミュニティー企画でパートナーの提案力・技術力をアップ

萩原 XC Familyの素晴らしさをパートナーの皆様に理解していただくために、SB C&Sではマーケティング活動にも力を入れてきました。

 まず取り組んだのは、XC Familyを専門とする「XC Community」のスタートアップセミナーです。これはデル様と共同で16年から計4回開催したイベントで、競合製品との違いを実機で見比べていただくデモンストレーションなどを通じて“Nutanix + XC Family”の良さをパートナーの皆様にアピールすることから始めました。

森下 当社はディストリビューターですので、パートナーの皆様がお困りのことに対する解決策を示していかなければなりません。そこで、訴求力の高い提案にどうまとめようかと頭を悩ませている営業の方々に製品情報をご提供するのはもちろんのこと、お客様先での導入と運用に携わるシステムエンジニアの方々の疑問を解消することにも努めました。

 例えば、Nutanixのアーキテクチャーと他のHCIはどこが違うのか、障害発生時の挙動や稼働中にハードディスクを抜いて交換するとどのようなことが起こるのかなど。こうしたことを分かっていただくには、実物でお見せするのが一番でしょう。

萩原 また、ニュータニックス製品のコアなところまでご紹介するコミュニティーをスタートしました。玄人向けの“濃い”内容に設定しているのですが、多くのパートナー様からいただいている参加のご要望に応じきれていないのが現状です。今後は、開催地を増やすことも考えています。

 このような場でニュータニックス製品とXC Coreの良さを知っていただき、実際に使っていただいてその体験を基にお客様が抱えている課題を解決するための提案をする。そうした形で進めていければと思います。

森下 サーバーやハイパーバイザーを幅広い選択肢から選べるようになったNutanixは、企業の規模を問わずご利用いただける柔軟な仮想化基盤となっています。最小構成のサーバー3台から始めて台数を段階的に増やしていくこともできますし、基幹系システムのための大規模導入では高性能・大容量のハードウェアを選んでコンパクトな構成にまとめると良いでしょう。XC Coreには豊富なラインアップがありますので、あらゆる業種の企業・団体で活用していただけるはずです。(第2回に続く)

 
【解説】
ニュータニックスとは……ハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品「Nutanix」を提供する。HCI市場をけん引するトップベンダー。グローバルで1万1000社を超える顧客を持つ。2009年に米国サンノゼで創業、13年には日本法人のニュータニックス・ジャパンを設立し、事業を展開している。