ニュータニックスのハイパーコンバージドインフラ(HCI)を動作させるための最適なハードウェアとして、SB C&Sがいま推しているのが「PowerEdge」をベースに開発された「Dell EMC XC Core」だ。本連載第1回ではその概要についてデルとSB C&Sの担当者が語り合った。続く第2回では、XC Coreのハードウェアとしての魅力を深掘りすべく、SB C&Sで「Nutanix Technology Champions 2019」を受賞した萩原隆博氏が聞き手として、デルのXC Familyビジネス開発担当の池亀正和氏に迫った。

SB C&S ICT事業本部MD本部技術統括部第3技術部1課 萩原隆博氏(左)と
デル インフラストラクチャ・ソリューション事業統括ソリューション本部XC Familyビジネス開発担当
池亀正和氏

顧客ニーズに合ったNutanix基盤をPowerEdgeサーバーに実装できる

萩原(SB C&S) 2018年初めにニュータニックスが「Software Choice」というコンセプトを打ち出し、NutanixソフトウェアをDell EMCのサーバーでも使えるようになりました。そもそも、両社の関係はいつ始まったのですか。
 
SB C&S
萩原隆博氏

池亀(デル) デル(当時)とニュータニックスは、13年にアライアンス契約を結びました。その後、当社の主力サーバーであるPowerEdgeにNutanixのソフトウェアをあらかじめ組み込んだアプライアンス「Dell XC Series」(当時)を14年11月に発表しました。18年3月には、XC Seriesのハードウェアのみを提供するXC Coreを新たにラインアップとして追加しました。
 
デル
池亀正和氏

萩原 XC Seriesは売れ行きも順調ですね。

池亀 おかげさまで、当社はサーバー製品とHCI製品の両方で出荷台数・金額ともにグローバルナンバーワンのポジションにあります。Nutanixカットの話になりますが、18年9月にはグローバルで累計10億米ドルに到達しました。ニュータニックス社提供によるライセンス出荷本数では最新だと3万2000ノードが出荷されていると聞いています。日本国内でもXC FamilyはNutanixのOEM製品として最も売れており、17年、18年と連続して「Nutanix Partner Award」の「OEM of the Year」を獲得することができました。

萩原 XC Familyがそれだけ売れている理由をどう分析されていますか。

池亀 まず、ハードウェアのベースがグローバルで最も売れているx86サーバーのPowerEdgeであるという強みがあります。設計段階からHCIで利用することを前提として開発されており、第14世代以降のPowerEdgeには「PowerEdge BOSS(Boot Optimized  Storage Solution)」という起動時専用のPCI Expressのデバイスが標準で装着されています。

 しかも、ハードウェアRAID方式の冗長化を実現しています。サーバー内のハードディスクやSSDは全てデータ格納領域に使えますし、極めて高い可用性が得られます。また、プロセッサー、メモリー、ハードディスクやSSDのストレージなどのパーツを自由に選んで構成できることも、XC Familyならではの特長です。構成ツールにて選択できるパーツは全てコンパチビリティーが確認されているので安心してご選択いただけます。
 
XC Familyのラインアップ

萩原
 組み合わせのパターンは何種類くらいになりますか。

池亀 オーダー時の選択肢を全て掛け合わせると、約100万パターンと聞いています。ですから、必要なストレージ容量を確保するために必要以上のプロセッサーを搭載した上位モデルを買う必要はありませんし、導入後もハードディスクやメモリーを一定のルールの下で継ぎ足せます。

 さらに、全てのパーツはPowerEdgeに使われているものと同じ汎用品ですから、障害対応で交換する際も、当初の構成とまったく同じスペックのものをお届けできます。HCIの良さは、最小限の導入規模で導入し、足りなくなった際には簡単に追加増設できることです。そうしたご要望を実現できるソリューション製品だと思っています。

ハードの保守サポートは最長7年。ソフトはニュータニックスが直接保守する

萩原 長期の保守サポートを選べることもDell EMCサーバーの魅力ですね。というのも、製造業や公共団体のお客様向けの商談では長期にわたる保守サポートを求められることが多いんです。

池亀 XC FamilyにはPowerEdgeと同様に7年までの保守サポートを提供できます。当然、パーツも7年間はきちんと確保しますので、長期にわたって安心してお使いいただけるはずです。また、迅速な対応を求められるお客様には、(離島や山間部を除き)4時間オンサイトサービスもご提供できます。

萩原 アプライアンス製品のXC Seriesにはそうしたさまざまな魅力があるわけですが、それとは別に、ハードのみのXC Coreを展開することにしたのはなぜでしょうか。

池亀 一つの背景は、SIer、ディストリビューター、販売店の側にもNutanixに精通したエンジニアが増えてきたことにあります。そうした方々にとっては、不具合が発生したときに、当社のサポートセンターを介してやり取りするのではなく、直接Nutanixに問い合わせた方が手っ取り早い、という思いがあるはずです。そこで、“オールDell EMC”の保守サポートだけではなく、ハードはDell EMC、ソフトウェアについてはニュータニックス、と使い分けできる形態も用意することにしました。

萩原 ディストリビューターである当社がXC Coreを推しているのは、ニュータニックスが動作チェックしてお墨付きを与えている互換製品でありながら、PowerEdgeと同等の豊富なラインアップから選択できるというのが最大の理由です。一般のアプライアンス製品では自由な構成を組めないことが多いのですが、XC Coreの場合はそういうことがありません。ですから、ソフトウェアにはNutanixを使うが、サーバーのハードウェアにもこだわりたいというお客様にはぴったりでしょう。

池亀 当社ではSIerや販売店のエンジニアの方々向けにサーバー構成支援ツールをご提供しています。また、ニュータニックスでも「Sizer」という容量見積ツールを用意されておりますので、この二つのツールを組み合わせれば、お客様のニーズに合ったNutanix基盤をご提案できるでしょう。

萩原 HCI案件の提案をする際の問い合わせとしてサイジングのほかに、バックアップや、UPSのご相談もよくいただきます。普通のサーバールームにHCIを設置されるお客様向けの提案では、「Nutanix Ready AHV」のロゴが付いた無停電電源装置(UPS)を選ぶと価格をより抑えることが可能です。(第3回に続く)

 
【解説】
ニュータニックスとは……ハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品「Nutanix」を提供する。HCI市場をけん引するトップベンダー。グローバルで1万1000社を超える顧客を持つ。2009年に米国サンノゼで創業、13年には日本法人のニュータニックス・ジャパンを設立し、事業を展開している。