仮想化基盤の選択肢が広がったことを受け、自社に適したバックアップ環境を模索する企業が増えている。Arcserve Japanは8月、バックアップ製品の新版「Arcserve UDP 11」の提供を開始した。ダイワボウ情報システム(DIS)との連携も深め、製品を学ぶ場、実機を試す場を広げている。同社営業統括部の青山明日未パートナーアカウントマネージャに話を聞いた。
流動的な仮想環境にバックアップも追随
仮想化基盤は従来からのVMware vSphereやMicrosoft Hyper-V、Nutanix AHVに加え、近年ではOSS系のProxmox VEを採用する企業も増え、選択肢が広がってきた。バックアップ製品もこの多様化に追随する必要がある。
8月に提供を開始したArcserve UDP 11ではエージェントレスバックアップの対応範囲が広がり、Proxmox VE上の仮想マシンもエージェントを導入することなくバックアップを取得できるようになった。青山マネージャは「お客様の状況は多岐にわたるため、どの基盤を選ばれても困らないよう、選択肢を広げることが今回のバージョンアップの大きな目的だった」と話す。
あわせて、バックアップデータをランサムウェアから守るイミュータブルストレージ「Arcserve Cloud Cyber Resilient Storage(クラウドCRS)」に大阪リージョンも加わった。従来の東京だけでなく大阪も選択でき、「システムもバックアップも東京では少し心配」というお客様にはバックアップデータを大阪リージョンへ保管することで、より高いレベルの地域分散構成を実現可能だ。ランサムウェア対策と災害対策を一つの構成で兼ねられるようになったのだ。また、オンプレミス版も「Arcserve CRS 2」として同時に更新されており、いずれもArcserve UDP 11と組み合わせて使える。
Arcserve UDP 11には、有効な契約を持つユーザーであれば無償でアップグレードできる。Arcserve UDPの既存契約の証書に記載されたオーダーIDさえあれば、Web窓口から申請した後に届いたライセンスキーを入力するだけで済む。「Arcserve UDPとCRSを組み合わせれば、単なるランサムウェア対策にとどまらず、今後は遠隔地へのレプリケーションまで視野に入れられる」と青山マネージャは最新版のメリットを強調する。
Arcserveシリーズで揃えるなら今
Arcserve Japanでは現在、複数のキャンペーンを展開している。例えば、Arcserve UDP 11の5年サブスクリプションを4年分の価格で調達できるキャンペーンを2027年3月末まで実施中だ。また同時に、クラウドCRSの5年サブスクリプションも4年分の価格で提供するキャンペーンを行っている(2026年12月末まで)。なお、サブスクリプションとライセンスプログラムで利用できる機能に差はない。
さらに他社製品からの乗り換えキャンペーンも2026年12月末まで実施している。「サポートの提供元が変わるなど、この先を見通しにくくなった製品を使用中のユーザーから、移行先について相談される機会が増えている。それを受けて、初期投資を抑えて移行できるようにした」(青山マネージャ)。バックアップからイミュータブルストレージまでArcserveシリーズで揃えれば、サポート窓口も一本化できる。
神保町でハンズオントレーニングを実施。出張開催も可能
販売パートナーのスキルアップを支える取り組みも広がっている。東京・神保町の本社では、Arcserve UDPのハンズオントレーニングを月2回程度開催中だ。半日かけて1人1台の環境でインストールから復旧まで、Arcserve UDPの基本操作を体験できる。定員は10名程度で、参加者はパートナーのエンジニアやエンドユーザー、初めて触れる人もいれば、以前からArcserveを使っていて改めてArcserve UDPを学びに来る人もいる。遠方の場合は、内容を動画化したものを視聴することも可能だ。
紹介した側と紹介された側の双方にギフト券が贈られる「お友達紹介キャンペーン」も始まった。紹介された人がハンズオンセミナーに参加することが条件だ。Arcserve Japan主催のハンズオンは神保町に出向く必要があるが、DISはハンズオン用のPCを保有しているため、販売パートナーの拠点に出向いての開催に応じる体制も整いつつある(お友達紹介キャンペーンの対象外)。
実機で試せる環境も整った
導入前に実機で検証することが要件にあるユーザー企業が少なくないことを受け、DISと連携しArcserve CRS Applianceの実機を貸し出すサービスも開始した。RTOの観点で、復旧時間の要件が高い環境にはオンプレミスにCRS Appliance を構成するニーズが高まっている。「まず販売店の社内に導入して検証し、運用が安定した後に外販の提案に生かすケースも出てきている」と青山マネージャは語る。全国に販売チャネルを持つDISと組むことで、提案から検証、導入までの流れが滑らかになった。今後は貸出機のラインアップを拡充する構想もあるという。
DISと連携して貸し出しを始めた「Arcserve CRS Appliance」
選択肢が増えれば、そのぶん自社に合う構成を見極める力が問われる。Arcserveは製品の基本を問うWebテストを実施している。高得点者にはノベルティなどの特典が予定されている。青山マネージャは「バックアップは基本さえ押さえておけば、そこから構成の幅は大きく広がる。経験者もこれから始める方も、この機会に力試しから始めてみてはいかがだろうか」と呼びかけた。