新潟県に本社を置く老舗ソフト開発企業、フジミック新潟(原和久社長)が、人材育成に本腰を入れて取り組もうとしている。景気後退の影響で開発案件は減少、仕事が減って技術者の手は空き気味。そんな状況を逆手にとって、技術者の開発力を強化し、事業基盤を強固にしようというのだ。

不景気の今だからこそ人材育成」

宮澤徹ソリューション
第2部部長
兼東京支社長
 フジミック新潟は1986年設立、100人弱の従業員のうち約80人は技術者が占める。本社は新潟県十日町市に置くが、東京に支社を設置していることもあって、首都圏からの仕事が多い。県内の仕事は10%程度。また、ITベンダーからの下請け事業が8割程度を占める。人材育成には、IT系の資格を取得した社員には報償金を支給するなどの措置をとって促進していたが、体系立てた教育メニューは整備されていない状況だった。

 しかしながら、同社は来年度から人材育成に本腰を入れて取り組もうとしている。「景気後退によって案件は減少した」(宮澤徹・ソリューション第2部部長兼東京支社長)ことで、時間に余裕が生まれ、それを有効活用する手段として2009年中盤から人材育成プランを情報処理推進機構(IPA)の協力をもとに作成していたのだ。

 「技術者のスキルには偏りがあると感じていたが、仕事が立て込む期間はどうしても人材育成が二の次、三の次になってしまっていた。今の景気後退は人材育成に取り組む絶好のチャンスだと思った」と宮澤部長兼支社長は話している。

 「ITスキル標準(ITSS)」を活用し、昨年後半に技術者のスキルチェックを実施。1000項目にも及ぶスキルシートへの記入を行わせることで、現状のスキルマップを作った。「漠然と抱いていたスキルの偏りがはっきりと見えた」と宮澤部長。そのうえで、「『ITSS』は“使わず嫌い”の部分があったが、活用のハードルは低く、その効果に驚いた」と話している。

 完成したスキルマップをもとに、来年度からはスキル強化に向けた教育プランを作成、運用する予定だ。案件減少で生まれた時間を、これまでおざなりになっていた人材育成に当て、事業基盤を強化しようと挑戦している。(木村剛士)