暗号ソフトの世界的大手である米PGPのフィリップ・ダンケルバーガー社長兼CEOが来日し、グローバルの開発・販売戦略を語った。世界的なトレンドとして、「暗号ソフトの導入は着実に進んでいる。そのような状況にあって、ユーザー企業は暗号を解く際に必要な鍵の管理に膨大な手間を強いられ、運用に課題を感じ始めている」と指摘。そのうえで、課題を解決する手段となる、複数の鍵を一元管理する新製品「PGP Key Management Server」の優位性を主張した。この製品を中核ソリューションに位置づけ、全世界で積極拡販する姿勢を示した。

フィリップ・ダンケルバーガー
社長兼CEO
 暗号ソフトはPCのハードディスクドライブやサーバー、スマートフォン、USBメモリなどの外部デバイスといったさまざまな機器やシステムで利用されている。ただ、その一方で、ソリューションを導入すればするほど、ユーザー企業は鍵管理に膨大な手間をかけている状況にある。「暗号ソリューションの運用は切実な課題」とダンケルバーガーCEOは説明する。

 「PGP Key Management Server」は、PGP製品だけでなく、他の暗号ソリューションベンダーが提供する暗号ソフトやSSL証明書を一元管理するプラットフォームで、同製品を導入することで「煩雑な鍵管理作業を軽減できる」(ダンケルバーガーCEO)。2002年に創業した当時から開発を続けてきたソリューションで、約8年間をかけて製品化に至った。

 ダンケルバーガーCEOは、「クラウド環境になれば、ユーザーの暗号化に対する意識はますます強まり、管理しなければならない鍵は今では想像がつかないほど膨大になる。自社、他社問わずあらゆる鍵を管理できる唯一のソリューションだけに、全世界で積極拡販する」と、クラウドも追い風になるとみており、一気に攻めこむつもりだ。

 また、世界的な暗号化ソフト市場については、「先進国を中心に特定の情報は暗号化を義務付ける法律が施行されており、全世界で需要が強まっている」と説明している。

 米PGPは暗号化ソフトの大手で、約180か国でビジネスを展開する。全世界での顧客数は約11万社で、販売パートナーは合計1600社以上。米インテルとは、同社の「vProテクノロジー」との連携で、09年春から戦略提携している。日本法人は05年設立で、アクト・ツーと日本IBM、日本システムディベロップメント(NSD)、マクニカネットワークスの4社がパートナーとなっている。国内の顧客数は約1400社で、三井住友銀行や四電ビジネスが主な顧客になっている。(木村剛士)