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ALSI大連 人材供給力生かし上流開発へ URLリスト収集も開始

2010/07/22 10:13

週刊BCN 2010年07月19日vol.1342掲載

【大連発】アルプス システム インテグレーション(ALSI、麻地徳男社長)の中国・大連市にある開発子会社、阿爾卑斯系統集成(大連)有限公司(ALSI大連、小野淳一・董事総経理)は、大連市内の大学や大連ソフトウェアパークの人材供給力を生かし、グループ会社関連のシステム開発や組み込み開発の質と量を強化している。また、最近では、関連会社の委託を受け、中国国内で使うURLフィルタリング製品用のURLリスト収集を行う「URL収集センター」の活動を活発化させている。

阿爾卑斯系統集成(大連)有限公司(ALSI大連)の小野淳一・董事総経理
 ALSI大連は2005年1月、大連ソフトウェアパーク内に設立。当初はグループ会社のアルプス電気に関連する「オフショア開発」を主に担っていた。06年12月からは、アルプス電気の生産工場向けである製造流通ソリューション、車載関連のファームウェアソリューション、ALSIのセキュリティ製品「Inter Safe」関連などのセキュリティソリューションの3事業を展開している。従業員は140人弱。年間売上高のうち、90%がグループ会社関連だ。

 3事業のうち、製造流通ソリューション事業では、主に中国内で使われるIBMのサーバー「System i」とWebアプリケーションサーバー「WebSphere」などで構成されるシステムの開発保守を手がけている。最近では、NTTデータイントラマートのWebシステム基盤構築用のソフトウェア「intra-mart」を使ったシステム開発などにも開発事業の幅を広げている。

 ファームウェアソリューション事業では、アルプス電気向けに車載関連の組み込みソフト開発を行っている。この点では、カーナビゲーションメーカーであるアルパインと連携している。また、大連市内にある大学の人材供給力を利用し、オフショア開発・新興市場向け開発を加速させる。小野淳一・董事総経理は「V字開発の後工程であるテスト・評価から、今では前工程の開発を担うまでになった」と、開発人材の技術力が高まってきているという。

 一方、セキュリティソリューション事業では、関連会社のネットスターから委託を受け、現地中国人の人材を投入し、「URL収集センター」を設立して中国固有のURL収集を開始。小野董事総経理は「中国では、他の国と異なり、表示禁止のURLを政府が収集して厳しくフィルタリングをかけている。しかし、中国固有のフィルタリングをかける必要のあるURLもあり、これを探すのは、現地に住む中国人にしかできない」と、人材供給力が豊富な大連ソフトウェアパークでこそできる取り組みであると強調する。(谷畑良胤)
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