インターコム(高橋啓介社長)は、8月31日、格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)の中堅・中小企業向け格付け「日本SME格付け」で、最上位の「aaa」(トリプルエー)を取得した。「日本SME格付け」は、国内の中堅・中小企業の信用力に関する格付け。「aaa」から「ccc」までの7段階で評価する。

 SME格付けを取得するためには、昨年度の売上高が10億円以上100億円以下の国内企業であることや、非上場であること、税理士が関与した決算書が5期以上あること、申込取扱金融機関の申込確認書(実在確認など)を得ることができることなどが条件となっている。

 インターコムの高橋社長に「aaa」取得について聞いた。

――格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)の中堅・中小企業向け格付け「日本SME格付け」で、最上位の「aaa」(トリプルエー)を取得した。どのような経緯があって申し込んだのか。

 数年前からIPOの準備をしていたが、国内が経済不況に陥り、とりあえずIPOはストップ状態にある。そんななか、S&Pの「日本SME格付け」を知った。

 世界で一番有名な格付け会社が評価して、財務的に健全であるとか債務不履行を起こさないなどというお墨付きをもらえる。格付けで安全だということがわかれば、リクルートにも役立つと考えている。現在130名くらいの社員がいるが、社員にも安心感を与えられる。

 最近はIPOにあまりメリットを感じられなくなった。これだけの状況下で、どれだけメリットがあるのか考えると、ないような気がする。IPOを諦めた企業も多いと聞く。「日本SME格付け」は本当にグッドタイミングだった。

――S&Pの日本SME格付けを知ったのはいつか。

 去年知った。aaaを取得しているソフトウェアベンダーの応研に教えてもらった。格付けは九州で盛んで、地方銀行が熱心に取得を勧めるそうだ。

 まさか中小企業向けに格付けがあるとは思わなかった。格付けというと、ほとんどの人は大企業向けだと思っているのではないか。なぜだかわからないが、都市銀行は中小企業の格付け取得をあんまり勧めないように思う。

 9月13日に「aaa」取得を発表したら「どうやって取得したのか」と人が訪ねてくるようになった。

――「aaa」を取得できたのはなぜか。

 当社は創業時からプラス成長してきた。基本的なことだが、会社は利益、売り上げを上げていく必要がある。堅実に事業を展開してきたことで、非常に体力のある企業になることができた。

 本当はもっと成長できたかもしれない。95年頃に売り上げのピークを迎えて、証券会社などからはしきりにIPOを勧められた。当時は、儲かったからIPOする必要はないと判断した。IPOをしていれば、もう一段、企業規模が大きくなっていた可能性はある。

 もっとも、IPOした企業は現在どこも苦しんでいる。コンプライアンスや内部統制がこんなに厳しくなるとは思わなかった。ものすごい工数とお金をかけている。収入源が小さくなるなかで、コストだけはかかり、厳しい局面を迎えている。

――審査期間は。

 2か月くらい。S&Pに5期分の決算書を提出するだけと、手続きはシンプルだ。当初は「a」だと思っていた。証書を見たらがaが三つで手が震えた(笑)。リーマン・ショックの影響で、昨年度は売上高があまりよくなかったからだ。ただし、利益は出ている。結果的には、財務内容がよかったのが評価されたのだろう。

――「aaa」効果は。

 とても大きい。お祝いのメールが顧客や同業者から100通くらい寄せられた。もう一回、取り引きを見直して、意見交換しようという話ももらった。

 これからは営業スタッフにニュースリリースを持たせるようにしたい。取引先からの信用が増すし、取り引きしやすくなる。IPOにはメリットとデメリットどちらもあるが、これにはデメリットは何もない。

高橋啓介社長