「クライアント/サーバー(C/S)とPCの時代は過ぎ去った」。米IBM(サミュエル・パルミサーノ会長)の「パートナーワールド・リーダーシップ・カンファレンス(PWLC)」が、現地時間の2月15日、フロリダ州オーランドで開幕。初日のメイン・テント・セッションには、世界巡回の合間を縫ってパルミサーノ会長が登場。約1500人のパートナーらが見守るなか、IBMの世界での成長戦略について熱弁を振るい、聴衆を魅了した。

聴衆を前に次の世代の戦略を語るパルミサーノ会長

 セッションには、64か国のパートナーが参加。米国の著名学者による基調講演のあと、パルミサーノ会長が登壇。「C/SとPCの時代は過ぎ去った」と転換期を言葉に表現し、創業100周年を機に、かつて隆盛を極めたビジネスに別れを告げた。パルミサーノ会長は、この8年間の三つの変化を挙げた。世界的なインテグレーションが進展し、この間にITアーキテクチャが大きく変化、クラウドコンピューティングを中心に顧客の期待が変わったという。

 サーバー、ストレージ、PCを中核にしたC/Sはコモディティ(日用品)化し、顧客にとって付加価値を生まないシステムになったという。IBMは「スマーター・プラネット」を提唱。C/Sシステムに依存していた提供方法を見直し、C/Sシステムやクラウドなどのサービスを組み合わせて提供することに重きを置く戦略へ転換している。パルミサーノ会長は、「(スマーター・プラネットに)戦略的に移行する決断は、パソコン事業をレノボに譲渡した時以上に意思決定が難しかった」と語り、熟慮のうえでインフラ販売に頼らない「劇的なシフトをした」と自己評価した。 

話が進むにつれてアクションが大きくなり、テンションが上がるパルミサーノ会長

 PWLCのメインテーマの一つになっているのが、「ビジネス・アナリティクス」だ。IBMの調査によれば、多くの経営者が、高度なビジネス・プロセス・マネジメントを含む新しい分析機能が必要と感じ、これがビジネスの優位性を確立するとしている。パルミサーノ会長は「今後15~20年で、企業内データの活用方法を変わる。企業内にある膨大なデータを整備し、将来必要なリアルタイムな意思決定に役立てることが、競争優位に立つうえで重要になる」と、ビジネス・アナリティクスの必要性を説いた。

 そのうえで、パートナーに対しては、ビジネス・アナリティクスやクラウド、ソフトウェア、ハードウェアなどをサービス化して売るためのスキルを獲得しもらうために、「大きな投資をする」と約束。洗練されたソフトウェアのポートフォリオを示し、「パートナーが顧客の要望に応えて的確に販売できる体制をつくる」とした。創業100周年のIBMは、今年、「スマーター・プラネット」を具体化しながら、新たな方向を目指す。(谷畑良胤)